Oracleは7月18日に2時間におよぶ会見を開き、同社の現在の業績を報告した。発表を行った共同社長のチャールズ・フィリップス氏は、SAPとの競争に言及し、ミドルウェアおよび一般的な技術分野において同社が最大のライバルであるSAPを打ち負かそうとしていることを示唆した。
最新の四半期業績を見たかぎりでは、Oracleの言い分は間違っていないようだ。6月22日の発表によれば、Oracleの新規ライセンス販売総額は、前年同期比32%増の21億2000万ドルにおよんだという。今後の成長についても好ましい兆候が見られたとの発表だった。
さらに注目すべき点は、アプリケーションの売り上げが前年同期比で83%という伸びを見せたことだ。Oracleが2006年初頭に買収したRetekおよびSiebelのソフトウェア売り上げを除外しても、56%の増加となっている。
フィリップス氏はアナリストを集めた18日の会見で、「当社は前四半期に71%もの成長を遂げたが、SAPは14%にとどまった。SAPから投げかけられたメッセージに誠実に対処したことが、両社の明暗を分けたのではないだろうか」と述べた。
顧客にFusionへのアップグレードを強要しているとSAPから非難されたOracleは、旧PeopleSoftおよびJD Edwardsのアプリケーションに対する恒久的なサポートと、個々のスイート製品の更新を継続することを決めたと、フィリップス氏は胸を張った。
だが、Gartnerのジェノベーゼ氏は、こうした戦略には顧客の不安を払拭する効果はあるが、収入増加にはつながらないと指摘している。
「SAPを導入しようとするケースは、いまだにJDEやPeopleSoftよりはるかに多い。(Oracleは)ここ1年ばかり、旧PeopleSoftおよびJDEの新たなソフトウェアについては何も語っていない」(ジェノベーゼ氏)
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