値下げ競争や新製品の投入合戦でしのぎを削るAMDとIntelだが、市場そのものが減速している現在、両社の実力が問われる。
半導体メーカーの米AMDと米Intelの競争は、第2四半期にさらに激しさを増した。
第2四半期に激戦を繰り広げた両社はプロセッサを値下げし、Intelは在庫問題への対応も余儀なくされたが、これらの動きは、例年より弱含みだった季節的要因の推移に伴うプロセッサ出荷の減少を背景としていたことが、Mercury Researchの最新のデータで明らかになった。
第2四半期にはAMDが市場シェアを若干伸ばした。同社のシェアは21.6%となり、2006年第1四半期の21.1%から0.5ポイント上昇した。
これに対し、過剰在庫に苦しんだIntelのシェアは、72.9%と第1四半期の74.3%から下降した。
だが、既に新型プロセッサが多数発表されている第3四半期には、両社の実力が一段と問われることになるだろうとアナリストは見ている。
「第2四半期は季節的要因から低調だった」とMercury Researchの主席アナリスト、ディーン・マカロン氏は語る。「Intelは在庫問題への対応に追われていた。AMDのシェアがわずかに伸びたのは、Intelの業績とその背景を考えれば、それほど驚きではないだろう」
AMDはサーバ向けとデスクトップPC向けプロセッサでシェアを伸ばしており、Mercuryの数字を引用して、Opteronはx86サーバ向け市場でシェアが25.9%に上昇したと述べている。デスクトップPC向け市場に関しては、AMDもIntelも、第2四半期は特に厳しい状況だったと説明している。一方、Intelは、ノートPC向け市場ではシェアを維持したとマカロン氏は話している。
両社の競争激化を象徴するものとなった価格は、両社の四半期業績の基調を決定づけた。価格低下の影響で、AMDの第2四半期の売上高は目標を下回った。
Intelも、第2四半期は想定以上の価格低下に伴い減益となったと報告している。
その後IntelとAMDは、性能を高めた新製品を投入し、性能競争で優位に立つとともに、価格と性能の適切な組み合わせで購入者にアピールすることを狙っている。
Intelはデュアルプロセッサ対応のサーバ向けプロセッサ「Xeon 5100」を出荷し、デスクトップPCおよびノートPC向けの「Core 2 Duo」プロセッサのリリースを開始した。
IntelはCore 2 DuoをPentium以来最も重要なプロセッサ新製品と呼び、このプロセッサを市場シェア回復の切り札と位置づけている。
Mercury Researchの数字によると、Intelの今年第2四半期の市場シェアは、2005年第2四半期の82.2%を約9ポイント下回っている。一方、AMDは2005年第2四半期の16.2%から5ポイント以上シェアを伸ばしている。
AMDは、Athlon 64 X2やOpteronといった同社プロセッサの新バージョンとなる「Rev F」に期待をかけている。Rev Fプロセッサは仮想化やDDR2サポートなどの新機能を提供する製品だ。
「Rev F」Opteronは数週間前から出荷されているが、まだ正式発表されていない。計画に詳しい筋によると、発表は8月15日に予定されている。
IntelとAMDは7月23日からの週に価格を引き下げ、両社のデスクトップPC向けプロセッサの値下げ幅はいずれも最大61%だった。
この値下げを受け、価格戦争が始まるとの観測も浮上した。だが、新しい価格表は、第2四半期に競争が激化する中で両社が既に採用していたPCメーカーへの販売価格を反映したものにすぎないと考えられる。
「この値下げが発表よりずっと前に実施されていたという証拠は十分ある」とマカロン氏。「両社の製品が以前から今の価格で販売されていたのは非常に明らかだった」
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