第4回:ユーザーやパートナーへのサポート体制は十分か?エンタープライズLinuxの実力(2/2 ページ)

» 2006年08月11日 08時00分 公開
[松井一郎,ITmedia]
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パートナー/ソフトウェアベンダーに対するサポートは?

 次に、対応アプリケーションを開発するISVなどのパートナーに対してどのようなサポートを行っているのかを見てみよう。

 レッドハットでは、Red Hat Linux対応のアプリケーションを開発するソフトウェアベンダーに対する支援施策「Red Hat Enterprise Linux ISV Partner Enhancement Program」を行っている。このプログラムでは、製品をレッドハットのソリューションガイドブックに掲載できたり、ロゴの利用が認められたりする。また、マーケティングプロモーション活動の支援も行っている。

 ミラクル・リナックスでは、ソフトウェアベンダー向け技術・マーケティング支援プログラム「With MIRACLE」を設けている。このプログラムは2001年に発足したものだが、2005年8月に刷新された「With MIRACLE 2005」では、MIRACLE LINUX向けアプリケーション開発に対する技術支援や検証環境の提供、専用の技術問い合わせ窓口の用意、マーケティング支援サービスなどが行われる。また、中国レッドフラッグや韓国ハーンソフトと共同開発する「Asianux」対応ソフトウェアとして「Asianux Certification Program」に自動的に反映される。これは特に、日本だけでなく中韓市場でソフトウェアビジネスを展開しようと考える企業にとっては魅力的なプログラムだろう。

 さらに、ミラクル・リナックスは、Red Hat Linux向けに開発されたアプリケーションのMIRACLE LINUX対応を進める「ソフトウェアCertification推進プログラム」を行っている。MIRACLE LINUXは、Red Hat Linuxをベースに開発されているため、ディストリビューション間の互換性が高い。その利を生かし、MIRACLE LINUXで動作検証を行って、MIRACLE LINUXでの動作を認証するものである。

 ノベルは、「Novell PartnerNet」を通じてさまざまなパートナー施策に取り組んでいる。SUSE LINUXに対しては、ソフトウェアおよびハードウェアの動作を確認し、ガイドラインに準拠した製品に対してロゴ使用を認める「Novell Readyプログラム」を実施している。また、パートナーおよびエンドユーザーのSUSE LINUXサポート技術者を育成する認定試験も実施する。なお、日本市場では後発であるSUSE LINUXの普及を目指し、ノベルはサーバベンダーとの提携を積極的に進めている。2005年3月からは日本HPが「HP ProLiantサーバ」でSUSE LINUXの動作保証を開始。4月にはNECがSUSE LINUXを扱うようになり、7月には富士通とサポート契約を結んでいる。

 ターボリナックスは、パートナープログラム「TurboLINKS」を通じてLinuxビジネスを展開するパートナーをバックアップしている。このプログラムでは、製品情報、技術情報がパートナー専用サイトで公開されるほか、マーケティング活動の支援を行う。また、パートナーのビジネス形態によって支援の内容が異なるオプションプログラムも用意している。現在、このプログラムに参加しているSIer、ソフトウェアベンダーなどは400社を超えるという。

このコンテンツはサーバセレクト2006年3月号に掲載されたものを再編集したものです。


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