技術にとどまらないデータ管理の勘所今どきのバックアップ入門(3/3 ページ)

» 2006年08月28日 11時00分 公開
[堀江徹,ITmedia]
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バックアップ統合

 サーバやストレージ製品の価格低下は、部門ごとでのシステム構築を容易にした。その結果、次々と企業内に新たなシステムが構築され、システム環境は分散化の傾向をたどってきた。この分散したデータを安全に効率よく運用するには、分散したストレージを個別にバックアップする方法では限界がある。実際に、分散したストレージ環境では次のような問題点が顕著になってきている。

  • 個々のストレージに接続する非効率なバックアップデバイスと稼働率の低下
  • 部門ごとでのソフトウェア購入による購買面、管理面での問題
  • 部門ごとに異なるシステムを導入していることによる管理者不足
  • 企業内の統合的な情報資産管理の複雑化

 これらの問題に対し、企業内で統一した単一ソリューションで管理すれば、データバックアップにかかる全体的なコストを大幅に削減できる。ただ実際には、企業内のデータ管理を統一するためのフレームワークを作成したり、部門間での連携、システムインテグレーションパートナーとの調整など、問題が多いことも現実だ。

 バックアップソフト側では既に、企業内に単一のマスターサーバーを設置して管理作業を集中化し、複数のメディアサーバによる効率的なバックアップ運用を行える機能を備えている。体制さえ整えば、この機能を活用して、管理者の負荷やコストの削減が期待できる。

バックアップ統合

 これまでデータ管理について述べてきたが、すべてのポイントを網羅したというわけではない。データ量の急増だけでなく、インスタントメッセージング(IM)やVoIPデータなどデータの種類も増えている。また、コンプライアンス、ROIと投資のバランスなどといった課題も常に変化している。

 このような中、ILM(情報ライフサイクル管理)のような統合的なデータのライフサイクル管理が今後主流になると考えられる。それに伴い、従来のデータバックアップというデータ管理ソリューションは、ライフサイクル管理と連携を進めることになっていくだろう。

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