メルーがフルワイヤレスのソリューションを発表、有線より7割コスト減に

ワイヤレスベンダーのメルー・ネットワークスは、アクセスポイント同士をすべて無線で接続して広域ネットワークを構築するソリューションを発表、11月より対応製品を投入する。

» 2006年10月05日 15時53分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 無線LANベンダーのメルー・ネットワークスは10月3日、LANのインフラをすべて無線で構築するソリューション「Wireless back born systems」(WBS)を発表した。製品は11月1日より、ディアイティ、日立情報通信エンジニアリング、東京エレクトロン、日商エレクトロニクスなどの代理店を通じて出荷される。

 WBSのソリューションは、有線インフラのセキュリティや信頼性、品質(QoS)を保ちながらオフィスネットワークやケーブリングの難しいキャンパスネットワークをエッジからコアまですべて無線インフラへ移行させることを目的としている。無線スイッチとの接続部分など一部を除いて無線アクセスポイント(AP)間をすべて無線で接続し、メッシュ状のネットワークを構成することで、障害に強い無線LANインフラを構築することが可能。

Radio Switch WBSではAPとして4チャンネル同時利用できる「RS 4000」を使用

 WBSは、既存製品である無線スイッチ「Meru Controller」やAP群のソフトウェアをアップデートすることで実現する。システムの中核となるAP「Radio Switch」が同時に複数のチャンネル(IEEE 802.11b/11g×2および802.11a×2チャンネル)を使える仕様を利用し、AP同士の接続に複数のチャンネルを割り当てる「AirChannels」という独自技術によってメッシュ状に広帯域のネットワークを拡張していく。通常のAPでは、無線クライアントおよびAP間の接続にそれぞれ1チャンネルしか使用できない。

 なお、WBSにおいてもクライアントから複数のAPを仮想的に1つのAPに見せるMeru Controllerのバーチャルセル機能を利用することが可能だ。同社は、フルワイヤレスでネットワークを構築する場合、「有線LANに比べ最大70パーセントのコスト削減を実現できる」としている。

 WBSの価格はオープン。メルー製品の現行価格の「2割増になる見込み」(同社)。10月現在、WBSはβテスト段階で、既存ユーザーに対しては有償アップデートで対応する予定だが、料金などは未定。

 またメルー・ネットワークスは、10月1日付けで末松秀明氏が代表取締役社長に就任したことを発表した。末松氏は、シスコシステムズ、日本ルーセント・テクノロジーなどを経た後、エクストリームネットワークスやファウンドリーネットワークスといった有力ネットワークベンダーの上級管理職を歴任した人物。前社長のビクター・パーカー氏は、新人事に合わせて相談役に就く。

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