SaaS、2011年にはソフト販売額の25%に――米予測

米調査会社GartnerがSaaS市場の予測を発表。従来、営業部門など部署単位での導入が主だったが、導入拡大につれIT部門も積極的に関わるようになり、活用が進むだろう、としている。

» 2006年10月06日 07時19分 公開
[ITmedia]

 SaaS(サービスとしてのソフトウェア)の売り上げが、新規ソフトウェアの売り上げ全体に占める比率は拡大を続け、2005年の5%から2011年には25%に達する――米調査会社Gartnerが10月3日、こんな予測を発表した。

 SaaSは、アプリケーションソフトの機能を、顧客に対しネットワークを通じて提供するもの。機能はパッケージ化されず機能単位で提供され、同一のコードやデータ定義を複数の顧客が利用する。顧客は、ハードウェアにアプリケーションソフトがインストールされていなくても、ネットワークを介して必要に応じて随時ソフトウェアを利用することができる。

 Gartnerによると、SaaSの普及度合いは分野により大きく異なる。CRMの分野では、SaaSの売り上げは、2005年にCRMソフト売り上げ全体の8%を占め、2006年には12%に達すると見られる一方、ERPやSCMの分野では、2005年は4%にすぎなかった。Gartnerは理由として、「これまでは、中小企業以外でのSaaSの導入は、営業部門などの部署単位で行われてきた」点を指摘。「中小企業に対しては、部署横断型のより広範なSaaSサービスを提供するプロバイダーも出てきたが、まだ機能的に十分でない場合が多い」ともコメントしている。

 しかし、SaaSがモデルとして主流となり、より多くの企業が導入するにつれ、環境は変化するとGartnerは予測。これまでは、SaaSの導入決定にはIT部門は関与せず、SaaSを現行システムの脅威とみなす場合が多かったが、今後はIT部門もSaaS導入に積極的にかかわっていくことになる、と見る。

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