殻を破れないVBプログラマーに刺激──地方の中堅IT企業が「Microsoft On」を生かすMicrosoft On 出張ワークショップ(2/2 ページ)

» 2006年10月10日 07時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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 Microsoft Onの取り組みを知り、両毛システムズでも出張ワークショップを開催してもらおうと公募に申し込んだのは、同社開発本部開発企画部で開発者らの人材育成に取り組む松本裕課長だった。

 「.NET Frameworkの以前のVisual Basicを使って開発しているプログラマーを中心に参加してもらった。彼らの多くは、自分の殻を破れずにいる。出張ワークショップで刺激を受け、“こうすればできる”“こうすればもっと面白い”という発見があればいいと期待している」と松本氏は話す。

「刺激を受け、スキルについて考えたり、身に付けていくきっかけになってくれればいい」とMicrosoft On 出張ワークショップを申し込んだという両毛システムズの松本氏

どの技術に人生を賭けて取り組む?

 松本氏によれば、顧客のニーズにこたえるべく、先端技術を取り入れていかなければならないが、どの技術に取り組むべきか、見極めは難しいという。先端技術の多くはすぐに廃れ、消えてなくなってしまうからだ。

 「社員には、技術者のキャリアとして、どの技術を選び、人生を賭けて取り組んでもらえばいいのか? 一番悩ましいところだ」(松本氏)

 両毛システムズはまもなく創業から40年を迎える。ホストコンピュータから事業がスタートしているため、今もホストコンピュータの仕事に従事している技術者は100人を超えているという。将来を考えれば、どのように事業や人の転換を図っていくか、が同社に限らず、業界の大きな課題となっている。

 さらに日本のエンジニアには、オフショア開発という海外との競争もある。実は同社はベトナムに子会社を設立しており、松本氏自身、海外のエンジニアの優秀さを理解している。

 「給与面で恵まれている若い日本のプログラマーたちは、どのような価値を創造すべきかが問われている。将来もプログラマーやSEのままでいいということにはならない。会社としても、人やモノやスケジュールをきちんと管理できるプロジェクトマネジャーや、ビジネスとITの橋渡しをするアナリストらをたくさん育成したい」と松本氏。

 もちろん、プロジェクトマネジャーやアーキテクト、あるいはアナリストが一朝一夕には育たないことも松本氏は分かっている。10年、20年の歳月を掛けて育成していくためには、きちんと体系化された枠組みがないといけないと痛感するという。Microsoft Onの出張ワークショップを受講したからといって、すぐにスキルが身に付くとは彼も考えていない。

 セミナーは、「そこから刺激を受け、スキルについて考えたり、身に付けていくきっかけになってくれればいい」と考えている松本氏にとって、Microsoft On 出張ワークショップの取り組みは、「渡りに船だった」という。

 「通常の研修コースは、コストも掛かる上、東京での受講となれば1日がかりで人数も限られてしまう。出張ワークショップなら大勢の社員が受講でき、刺激を与えるという目的は十分に達せられる」(松本氏)

 今回のMicrosoft Onの取り組みに対して点数を聞くと、松本氏は「70点から80点、十分及第点をクリアしている」と話す。

 なお、当日、Microsoft Onの出張ワークショップに参加した両毛システムズのエンジニアたちは、アンケートに答えて以下のような言葉を寄せている。

  • 普段こうしたセミナーを受講する機会がなかったため、とても参考になった
  • 東京などに出向かなければならないセミナーは参加が難しい。このようなセミナーは非常に良い機会を与えてくれる
  • おかげで.NETにスムーズに移行できそうだ
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