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» 2006年10月23日 10時00分 公開

ITエンジニアのための新たなキャリアパスモデル提案:ITプロセスの全体像を描くとエンジニアの人材像が見えてきた (1/2)

いま日本のITエンジニアは、その将来像が描けないでいる。マイクロソフトとアイ・ティ・イノベーションは、キャリアパスモデルを定義し、アセスメントの手法も併せて開発する共同プロジェクトに取り組んでいる。

[浅井英二,ITmedia]

 かつて最先端の職業のひとつだったITエンジニアだが、いまや「3K」のレッテルを貼られてしまい、日本のソフトウェア業界もそれを払拭できないでいる。「35歳限界説」が幅を利かせ、ITエンジニアが自身の将来像を描けない、という問題がありそうだ。ITエンジニアや業界の意識改革を促したいと考えるマイクロソフトとアイ・ティ・イノベーションは、キャリアパスモデルを定義し、アセスメントの手法も併せて開発する共同プロジェクトに取り組んでいる。ITmediaの「応援します! 日本ITエンジニア」では、途中経過ではあるが、同プロジェクトから生まれつつある成果について、前・後編の2回に分けて紹介していきたい。

先ずはITの仕事を整理してみる

 「いきなりITエンジニアの人材像やそのアセスメントについて論じるのは難しい。その前段階として、ITにかかわる人たちが、どのような仕事をしているのかを洗い出し、中間的な成果物として整理してみることから始めた」と話すのは、マイクロソフトのパートナーとして、今回のプロジェクトを進めるアイ・ティ・イノベーションのコンサルティングマネジャー、横尾誠康氏。

 横尾氏は、日立系企業のエンジニアとして自治体向けのシステム開発を経験したのち、1990年代はミルキーウェイ(のちのインテュイット)で開発部門のマネジャーを務めた。2001年からアイ・ティ・イノベーションで、製品開発マネジメントや人材戦略/育成のコンサルティング、IT技術者のスキル診断サービス、方法論開発などを手がけている。

 横尾氏が「中間的な成果物」と呼ぶのは、コンサルティング活動を通じて多くの企業から得られた、各社の「方法論」を集約し、キャリアパスモデルを策定する議論に適した粒度に整理し直したものだ。

 「この段階では、どのITエンジニアがどこでかかわるか、については特定せず、そもそもITのプロセスというのはどういうものか、その全体像を棚卸ししてみた」と横尾氏は話す。

 その整理のアプローチは以下のようなものだ。

  • 横軸に「ビジネス&IT戦略」の立案から始まり、「要件定義」「設計」「開発」「テスト」「導入」「運用」といったITプロセスを並べる
  • 縦軸にはそれぞれの局面の「目的」や「成果物」、あるいは「タスク」を並べる
  • タスクは、いきなり職種を登場させると整理が難しいので、先ずは「経営層やLOB」「CIOやIT企画」「システム開発」「システム運用」「プロジェクト管理」といった組織のレイヤごとに分類・整理した

 「タスクを組織レイヤごとに分類したことで、ユーザー企業のIT部門、IT子会社、システムインテグレーターごとにタスクを集約できた」と横尾氏。

 こうした整理によって、例えば、要件定義の局面における組織レイヤごとのタスクが整理され、それは何のために行われ、生み出される成果物は何であるか、が整理された。

 ここまでくると、どの職種がどの領域を担当するのかが見極められ、果たすべき「役割」と「責任」の観点から職種のイメージやモデルを把握しやすくなってくる。この役割と責任を明確にすることは重要だ。

 横尾氏は、「いきなり“必要とされるスキルは?”では、際限なく議論が続いてしまう。議論は永遠にできるが、概念が固まらない。今回のプロジェクトでは、“実際に存在する”役割と責任の観点から役割分担を整理してみた」と話す。

 こうした整理の下、タスクを中心的に担うのは誰なのかを色分けして表現したのが、下の「ITプロセスとロールモデル、および職域」だ。

「ITプロセスとロールモデル、および職域」詳細を知りたい読者はここをクリックするとExcelデータをダウンロードできます。ただし、プロジェクトの中間的な成果物であるため、内容は変更される可能性があります
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