モット氏をCIOに指名したハード氏は、以下の4つの基本方針を掲げ、HPのIT変革をモット氏に託した。
29カ国85カ所に分散していたデータセンターの数を3カ所に減らすとともに、2万1700台あったサーバの数も仮想化と統合化によって1万4000台まで減らした。
「データマートは762に上っていた。わたしはデータマートが嫌いだ。それは社内で異なるデータが生み出されてしまうからだ。われわれはこれを全社的なデータウェアハウスに集約しようとしている」とハード氏。
システムレベルでは、業界標準のIAサーバとLinuxの組み合わせを積極的に活用し、SANストレージを接続する。HP OpenViewなどを駆使し、可能な限りの自動化も図る。コストを削減するだけでなく、サービスレベルを高めるのが狙いだという。HPは、「第2世代の自動化」として「Model Based Automation」(MBA)というアプローチを提案している。MBAでは、理想の姿を定めておき、それと現状とを比較してシステムが自動的に是正措置を取ってくれるという。
こうしたITの徹底した見直しと再構築によって、HPは向こう2年間で、IT予算の8割をイノベーションのために回せるよう変えていくという。実現すれば、ITの再構築に取り組む顧客へのショーケースとなるはずだ。
ハード氏はまた、「われわれは、ITが本来あるべき姿を実現しようとしているが、カギを握るのはOracleだ」と話し、同社とのパートナーシップを強調することも忘れなかった。
Oracle Gridインフラストラクチャーの上でPeopleSoftの人事管理アプリケーションやSiebelのパートナーリレーションシップ管理アプリケーションを稼働させているほか、Oracle Fusion Middlewareにも多額の投資を行っているという。
「HPは、わたしが耳にしたことのないようなベンダーからも製品や技術を購入していた。ベンダーの数を絞り込み、より緊密なパートナーとしてサポートしてもらえるようにしていく」とハード氏。
ハード氏は、HPの変革はITが主導し、それはCEOによって主導されるべきだし、強いリーダーシップの必要性も訴える。
「社内でアンケート調査を行い、意見を聞くような話ではない。CEOがIT部門に対してコスト削減を求め、それでもより多くの結果を求めるべきだ」(ハード氏)
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