その一方で、ローカルPCのデスクトップにもパーソナライズ化の新たな動きが顕著になりつつある。ブロードバンド化が追い風となり、前述のようにオンラインサービスとローカル上の境目があいまいになってきた。
それを象徴するのが、発売間近のWindows Vistaサイドバーガジェットである(関連記事)。10月26日に開催されたマイクロソフトのWeb開発者向けイベント「REMIX TOKYO 2006」では、サイドバーガジェットによってデスクトップとオンラインの境目がなくなる新しい世界が紹介された(関連記事:「Googleの戦略とは異なるソフトウェア+サービスとしてのWindows Live」)。講演のデモでは、サイドバーガジェットの中にWebを介して呼び出すためのインタフェースとしての役割を果たしているものもあった。
もちろん、ガジェットの中には、オンラインサービスと連携することなく、ガジェット自身で完結するタイプのものもある。
安藤氏は、「大きく大別して、1. ガジェット自身で完結型のもの、2. さまざまななものと連携して利用するもの、3. ソリューション提供をするためのマッシュアップのもの、といった3つがあるのではないか」と分析する。
ガジェットに注目が集まる中、マイクロソフトでは、「利用するという側面から見て、当社のガジェットの最大の特色は、『気軽に利用できること』になるでしょう」とアピールする。
気軽に利用できる要因のひとつは、ガジェットを利用してもシステムそのものには障害が起きないよう設計されている点だ。
「むやみにガジェットをダウンロードして、利用してしまうと、システムやデスクトップに悪影響を及ぼすのではないか? しかし、ローカルアプリケーションではないためOSとは完全に切り離された仕様となっています」(安藤氏)
また、ガジェットを利用するためには、一部にランタイムインストールの必要性があるが、Windows Vistaサイドバーガジェットの場合、あらかじめVistaにランタイムが用意されている。ランタイムをインストールすることを手間だと感じるユーザーが多いことを考えると、これも「気軽に利用できる」ポイントの一つといえるだろう。
ガジェットの開発を呼びかけていくためには、利用者にとっても気軽に使えることが望ましい。それだけ多くの利用者を見込めるからだ。
なお、オンライン・ムックPlus「Windows Liveが魅せる次世代マッシュアップ」では、“Liveガジェットのアイデア募集”を行っている。読者から寄せられたアイデアは、本特集上で優秀作やアイデア傾向などを紹介していく予定だ(募集は2006年3月まで)。
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