SIIA、オフショア開発に関する最新調査報告を発表

SIIAの調査報告によると、ソフトウェアのオフショア開発を取り入れている企業の大半で、収入および利益の増加が認められたという。

» 2007年01月12日 15時20分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 Software & Information Industry Association(SIIA)が、国際的なソフトウェア開発の現状に関する調査結果を発表した。これによると、オフショア開発を取り入れている企業の大半で、収入および利益の増加が認められたという。

 ワシントンD.C.に拠点を置くSIIAは、国際的な製品エンジニアリングアウトソーシング企業であるSymphony Servicesと協力し、「Global Software Development Survey Report」と題する調査報告書を刊行した。この調査は、オフショア開発を行う114社のソフトウェア企業を対象に実施されたもの。調査では、ほとんどの回答者がオフショア開発を行うにあたって設定した目標を80〜100%達成できていると答えた。

 SIIAのエグゼクティブディレクターであるデビッド・トーマス氏は、今回の調査から、多くの企業がオフショア開発への取り組み強化を検討していることが分かったと述べている。実際に、オフショア開発のおかげで収入が上向いたと答えた回答者は全体の75%に、同じく利益が増えたとしたのは全体の88%に上った。また、調査対象者の84%がオフショア開発を導入した最大の目的を企業の成長と答え、迅速な商品化や生産性の向上はその次に重要な動機とされた。

 一方で、オフショア開発を進める際には、理想的な単一のモデルといったものは存在しないことも明らかになった。回答者の約半数がオフショアプロバイダーと提携しているが、3分の1は海外に子会社を所有し、4分の1は両方を採用しているという結果が出た。

 アウトソーシングの増強に関しては、調査対象者の57%が過去18カ月間にオフショア開発を「大幅に」増やしたと答え、これからの18カ月間でそうした傾向をさらに強化する予定であるとした。

 そのほか同調査によると、ソフトウェア開発のオフショア化を考えていない企業では、製品品質の低下や管理の不能化、知的所有権の乱用、自社社員の士気の減退などを懸念してアウトソーシングを敬遠している実態が浮き彫りになっている。

 しかしながら、オフショア開発を行っている企業の3分の2では、仕事の質がオンショア開発における水準を上回っているという。オフショア開発の質を「素晴らしい」もしくは「抜きん出ている」と評価した回答者は、全体の25%に及んだ。

 SIIAのプレジデント、ケン・ワッシュ氏は、「国際的なソフトウェア開発によって、米国のソフトウェア業界は抜本的な変化を遂げつつある。今回の調査は、こうした大規模な変化の原因と結果について幅広く考察している」と語った。

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