「データセンターとデスクトップを集中管理」、アボセントがLANDesk買収

ITインフラ管理製品を扱うアボセントは、買収したLANDeskの事業方針について明らかにした。

» 2007年02月08日 15時52分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 IT資産管理システムベンダーのアボセントは2月8日、同社が2006年8月に買収したLANDeskについて記者会見を開き、同部門の責任者が買収の背景や今後の方針などについて語った。LANDeskは今後も独立事業として存続させるという。

 米Avocentの子会社となったLANDesk Softwareは、デスクトップ統合管理のソフトウェア群を提供してきたベンダー。Intelの一部門が2002年にスピンアウトしてできた。またAvocentは、データセンターのインフラ管理、主にサーバプロセッサやKVMといったデバイスの物理環境を専用ハードウェアで集中管理するという、エージェントを必要としない管理ソリューションを得意とする。

画像 米Avocentのデイリー LANDesk本部長。LANDeskが米Intelの一部門だった時期に担当だったことが縁でGMに就任した

 Avocent LANDesk部門のスティーブ・デイリーゼネラルマネジャーは、「近年はITをサービスとして集中管理する流れができている。真の意味でシステムの一元管理を達成するには、エージェント、そしてエージェントレスでの管理手法を組み合わせる必要がある。LANDeskのソフトは製品戦略上、われわれのソリューションとの相互補完性があった」と買収の理由について説明した。

 「データセンター、デスクトップそれぞれの分野で製品を販売できるのが強み。アウトバウンドのデバイス管理とインバウンドのサービス/セキュリティ/システム管理を単一のコンソールからコントロールすることで、市場でユニークな存在になれる」(デイリーGM)

 アボセントはLANDesk買収後も、独立した事業部門として現行の開発、営業、マーケティング部隊を当面は継続運営していく方針。2007年は人員に投資しながら、チャンネル販売の拡大と柱の1つであるOEMビジネスの成長で前年比25%の売り上げ増を目指す。

画像 LANDesk Softwareの今井幹夫代表取締役
画像 LANDeskの製品ロードマップ

 国内においても、両社の人的な統合はせずそれぞれのチャンネルでの販売を継続するが、「パートナーがお互いの製品を共同提案していく展開はあり得る」(アボセントジャパンの小林俊彦社長)。ロン・ギボンズ アジア太平洋ラテンアメリカ地域セールス担当副社長は、「特に日本は販売後のサポートが重要で、サポートスタッフへの投資を続ける。J-SOX法に対応する機能のインプリメントなど、日本固有のニーズにも対応したい」と話す。

 またLANDesk製品について、4月と10月にモバイルセキュリティやゼロデイ攻撃対策機能などを強化するメジャーバージョンアップを予定している。現時点で、両社製品のインテグレーションはほとんど実現されていないが、7月に統合製品を発表するなど、シングルコンソール化や機能連携は段階的に進めていく考えだ。

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