データ統合、データ品質、オンデマンドという3つの側面から製品・サービスの強化を図るInformatica。「Informatica World 2007」では製品ロードマップが示されている。
企業内に蓄積されたデータの断片化という課題の解決に挑む米Informatica。同社はデータのインテグレーション(統合)、データ品質、そしてオンデマンドという3つの側面から製品・サービスの強化が進む。オーランドで開かれている「Informatica World 2007」では、製品担当エグゼクティブバイスプレジデントのギリシュ・パンチャ氏が製品ロードマップを話した。
ソハイブ・アバシCEOは自身の基調講演で「Informaticaはイノベーションを続けているが、まだ十分ではない」と語る。同社が目指す企業のデータ統合を支援していくには、データ品質や企業の外とのデータ連携といった課題を解決していかなければならず、ここに向けた製品強化がしばらく続くことになる。
今後同社のフラッグシップである「PowerCenter」を中心に機能のエンハンスメントと「Data Quality」の統合を進め、同時に、クロスエンタープライズでのデータ統合を推進するオンデマンド分野へも確固たる布石を投じていく二正面作戦を展開することになりそうだ。
パンチャ氏は「ビジネスとITのアラインメントを進め、SOAをサポートする」と将来の計画を話す。
データを統合し、情報という資産から価値を生み出すには、IT部門とビジネス部門の人間のコラボレーションが欠かせない。ビジネスユーザーは大量のデータを正確かつ全体的(holistic)に分析したいと考えており、IT部門にはセキュアで容易なデータ管理を実現したいというニーズが存在している。
「PowerCenter 8.5は現在のデータ統合標準を超えるものになる。正確かつ総体的なデータのリアルタイムでのデリバリーを保証する」とパンチャ氏。
8.5ではWebサービスをサポートし、コスト効果の高い形で、膨大で多様なデータソースへ拡張できるようになるという。またメタデータ管理のための「Meta Data Manager」をより使いやすくし、インデックスによる検索の高速化やインタラクティブにデータ追跡や系統の確認も可能なる。
パンチャ氏はMeta Data Managerのデモを紹介し、パーソナライズされたカタログ機能を紹介して見せた。
データ統合プロジェクトを支援する上で欠かせないツールとなってくるData Qualityの次期Santana(コードネーム)においては、デベロッパー向けの機能強化を中心に行い、データインテグレーションマッピングの機能がData Qualityにも搭載されるという。
その後の2008年度下半期に予定されているDaVinci(コードネーム)と呼ばれるPowerCenterで、Data Qualityを統合していく予定だ。
「ビジネスバリューをさらに高めるには、ビジネスユーザーとデベロッパーがコラボレーションを支援して、プロジェクトのライフサイクルに対応しなければならない」とパンチャ氏。主にダッシュボードの提供やビジネスユーザーがルールを作成を可能にすることでこれを支援していくという。
そして、2009年度上半期に予定されているPowerCentr 9と見られるGalileo(コードネーム)では、データをモデル化しサービスとして、オーケストレーションできるSOAベースのアーキテクチャーへの移行が予定されている。
データ統合エンジンを中心にETLやデータフェデレーション、プロファイリングといった機能がサービス化され、PowerCenterのリポジトリをエンタープライズワイドのシングルリポジトリとして活用し、カタログサービスとして提供されるというものだ。
また、パンチャ氏はデベロッパー支援として開発ツールのEclipseに対してプラグインを提供するともコメントした。
一方、SaaSを対象にしたコネクターなど企業の外とのデータ統合に関しては、これまでの目的別に用意した機能を水平展開し、対応するSaaSベンダーを増やしていく戦略をとるとしている。
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