ビジネス継続に必要な「ヒト・モノ・カネ」って?わが社のビジネス継続性を確立する!(2/2 ページ)

» 2007年05月09日 07時00分 公開
[岡田靖,ITmedia]
前のページへ 1|2       

「モノ」は自社以外の面も考慮

 災害後のシステム復旧活動においては、着のみ着のままで社内に泊まり込んでの活動となる可能性も高い。必要なだけのスタッフが、相応の期間に渡って活動できるようにしておかねばならない。その状況に耐えうる設備、資材、業務規則などは整っているだろうか。ある大地震の後、システム復旧のために集まったスタッフの最大の悩みは風呂とトイレだったという、笑えない話もある。システムの一部を委託しているなら、自社の社員のみならず委託先の人員も含めて、全員が活動できる環境を整える必要がある。

 部品や機材に関しては、多くの企業が日常的な故障に備えて若干のストックを確保していることだろう。これらを被害を受けにくい場所に保管しておけば、災害時の復旧にも活用できよう。また、特にクリティカルな資材については最低限度を決め、必要量を維持しておくことが望ましい。災害が広域に及んだ場合、他の企業での需要も合わせて一時的に在庫払底となる可能性もあるし、他地域から取り寄せるにも、交通網遮断などの影響で時間がかかることも多い。

 そもそも広域災害時には、住民の救援が最優先となるはずだ。企業の社会的責任を考えれば、地域との関係にも十分な配慮をせねばならない。もし、事業継続のために急遽資材を搬送して、それが救援活動の妨げになったとしたら、いくら普段から広く社会に貢献しているような企業であっても、良いイメージは持たれないことだろう。むしろ食料や飲料、燃料、テントなどといった備蓄を多めに用意しておき、周辺住民に提供するくらいの配慮を持ってほしい。

 備えが不足していては、復旧活動にも余計な時間がかかってしまいがちだ。十分な備蓄を持ち、日頃からある程度の時間を割いて避難や救助、そしてシステム復旧などの手順に慣れておくことが、損害の余計な拡大を回避することにつながる。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ