米国の医療保険会社であるWELL POINT社では、コンタクトセンターをGenesysで統合し大きな効果をあげているという。
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米国で医療保険を扱うWELL POINT社では、保険契約者対応を行うためのコンタクトセンターでGenesysソリューションを採用しており、大きな効果を上げているという。WELL POINT社のコンタクトセンターは、問い合わせの内容に応じ「ラージ」「ファーマシー」「メディカル」の3部門に分かれており、今回は同社ビジネスデベロップメント コンサルタントのジョーン・カリガン氏に、ファーマシーを担うコンタクトセンター(以下、ファーマシーと記述)について話を聞いた。
カリガン氏によると、WELL POINT社では2001年1月に、それまでのコンタクトセンターをGenesysに統合したという。製品としては、「Genesys T-Server(CTIミドルウェア)」「Genesys CIM Platform(コンタクトセンタープラットフォーム)」「Genesys Workforce Management(コンタクトセンターのリソースマネジメントツール)」などを導入している。
統合後のファーマシーでは、年平均500万コールという、膨大なコールを処理する必要があった。しかも契約者との間では、「30%の呼(電話の1トランザクション)を20秒以内に受けなければならない」といったService Level Agreement(SLA)が結ばれており、これを守れないとペナルティが発生する状況であったという。
しかしカリガン氏によれば、Genesysによるルーティングを活用することで平均待ち時間(契約者からの電話をとるまでの時間)を従来の97秒から12秒へと大幅に短縮することができたとのこと。ファーマシーとしてSLAを遵守できる体制を構築できたことで、契約者数も伸びを見せているという。
また、広大な国土を持つアメリカには、3つのタイムゾーンが存在する。カリガン氏は、従来ファーマシーでは、35のフリーダイアルナンバーを持ち、時間帯ごとに電話を受け付けていたとのことだが、呼量の予測がうまくいかなかった場合、呼が滞留することもあったと話す。
しかし現在では、Genesysの導入により、エージェントのアベイラビリティを把握しつつ確実なルーティングができるようになったとカリガン氏。サービスレベルを維持しつつ、利用するフリーダイアルナンバーを約80まで拡大できたという。同時にエージェント数も12%削減でき、コストセーブにも成功した。
なお1年半程前から、コンタクトセンターのアウトソースも試みている。アウトソーサーはフィリピンのマニラにある企業だが、Genesysのロードバランシングにより、問題なくルーティングできているという。マニラのアウトソーサーは、ファーマシーに加えラージでも利用しているとのことで、「アウトソーサー利用の流れは加速するでしょう。Genesysなくして、こういった体制は構築できませんでした」をカリガン氏。
メンテナンスについては、ファーマシーで抱えている3人のGenesysエンジニアが対応しているという。カリガン氏によると、ハードウェアの故障はあるが、Genesysの障害は、デプロイ後まったく発生していないとのことであり、呼量が少ない時間帯を選び、月1回リブートを行う程度で済んでいるという。
これらの効果を振り返り、カリガン氏は「ルーティングやスイッチングなどを一元管理でき、アベイラビリティも高い。Genesysのように安定したシステムは他になく、Genesysのコンペはないと考えています」とした。
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