“白黒モザイクだけ”はもう卒業、QRコードは動く時代にQRコードはさらに先へ

白黒モザイクのQRコードはもう古い。カラー化したり、画像付きのデザインも可能だ。ついには動く時代になり、Web誘導の新たな可能性を広げる。

» 2007年05月21日 06時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 雑誌や新聞広告、街中のポスターにいたるまで、もはやQRコードを見かけない日は無い。しかしQRコードの多くは、どれも同じような白黒のモザイクでデザインされている。

 QRコード制作のIT DeSignはこのほど、静止画のみだったQRコードを動画にできる「ムービーQR」を開発した。同社は、QRコードに画像を埋め込める「デザインQR」の開発も手がけ、QRコードのデザインを進化させた実績を持つ。

ムービーQRのベースとなるデザインQR。画像データさえあれば、フルカラーで画像入りQRコードを作成できるという

 ムービーQRは、デザインQRをベースに開発された。デザインQRは、同社の佐藤潔之代表取締役社長兼CTOが「同じようなデザインに変化を付けたかった」と、独自に開発したものだ。

佐藤潔之社長兼CTO

 デザインQRは、QRコードのモザイク配列に含まれるURLなどの情報に影響を与えることなく、QRコードの中に人物画やキャラクター、文字画像を埋め込むことができる。携帯電話などのバーコードリーダでは画像をQRコードの一部分として認識するため、QRコードに含まれる情報を正確に読み取れるという。

 QRコードに埋め込まれた画像がユーザーのアイキャッチとなって、モザイクデザインだけのQRコードと差別化できるため、「Webサイトへの誘導効果になる」(佐藤氏)という。企業のロゴやオリジナルキャラクターを利用すれば、ユーザーがQRコードを読み取る前にどのようなWebへアクセスするのかをイメージできるので、ユーザーに安心感を与える効果もあるそうだ。

原理はパラパラマンガ

 今回開発されたムービーQRは、パラパラマンガの原理を利用し、デザインが少しずつ異なる複数のデザインQRを高速で表示させることによって、QRコードの中の画像を動かす仕組みになっている。

複数枚のデザインQRを、パラパラマンガ式に高速表示することで画像が動く(こちらでデモ映像がご覧になれます)

 ムービーQRを映像データ化すれば、PCの液晶モニターや街頭の大型ディスプレイにQRコードの入った動画広告を表示させることができる。デザインQRと同様にオリジナリティ性の高いQRコードが作れるため、Web誘導効果の向上が期待できるという。

 例えば、PCサイトでの動画バナー広告に組み込んだ利用やテレビの通販番組での利用など、映像のあるさまざまなシーンでQRコードの利用が期待される。「音声も入れたムービーQRであれば、さらにユーザーの注目を惹くことができるでしょう」と佐藤氏。

 なお、ムービーQRをユーザーが見てから携帯電話を用意して読み取れるようするために、最低でも20秒〜30秒ほどの表示時間が必要になるという。

 博報堂DYメディアパートナーズグループのi-デザインセンターでは、このムービーQRを活用したCM制作や配信などのマーケティングサービスを5月21日から開始する。また、ムービーQRの作成をIT DeSignでも受け付ける。

 ムービーQR作成日は、表示に必要となるデザインQRの画像コマ数に応じた料金を設定するという。例えば、テレビと同程度の滑らかな表示で30秒のムービーQRを作成する場合、必要なコマ数は1秒間30コマ×30秒=900コマとなる。また、ムービーQR化するための映像や画像素材が必要になる。

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