オンとオフの両面を持った社内コミュニケーション手段はケータイと相性が良いモバイル Ready!なコミュニケーション活用術(2/2 ページ)

» 2007年05月24日 15時14分 公開
[岡田靖,ITmedia]
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SNSが社内コミュニケーションの範囲を広げる

 それでは、社内コミュニケーションでの場合はどうだろうか。ソネットエンタテインメントの社内での例を紹介しよう。

 同社ソリューションサービス部では、ある新しい社内システムの不具合や要望などの情報を共有するためにSo-net SNS for Bizを用いている。ソリューションサービス部の岡田正義マネジャーは、「アイデアベースの思いつきを、その場で書き込んで気軽に共有できる。社内で使ってみて、そのメリットがよく分かってきた」と言う。

 このSNSでは、社内システムに関する情報だけでなく、社員各自の趣味や興味に関する話題でも盛り上がっているという。岡田氏は、こんなエピソードを紹介してくれた。

 「私のプロフィールに鎧の写真を使ったら、ある社員がその種類まで言い当て、彼が鎧好きであることが判明した。同じ部署なので日頃から社内で話をする機会も多いのだが、その範囲では、鎧好きだと全く分からなかった。非公開コミュニティーも数多く作られていて、ときには上司が『仲間に入れてくれ』と頼んだものの、部下に断られたりするケースもある(笑)。昔の職場にあったような、各人の趣味や嗜好にまで踏み込んだ深いコミュニケーションが、SNSで復活できるかもしれないと感じている。」

「So-net SNS for Bizのオーナーが増えてきたら、いずれは勉強会などを開催して、オーナーの支援をしていきたいと考えている」と語る岡田氏(右)と、SNSを担当する郷氏

 社員が勝手に非公開コミュニティーを立ち上げることに関して、疑問を感じる向きもあろう。そのことについて、ポータルサービス事業部門 CGMサービス部 SNSチームの千輝仁チームリーダーは、こう語っている。

「社内で言いづらいことも、ブログやSNSに書き込むことで少しは気が晴れる。それが外部のサービスであれば、情報コントロールの観点から問題になるかもしれないが、社内SNSなら閉じた環境の中にあり、管理者がコントロールすることが可能だ。そういったノウハウは、ISPとしてSNSサービスを手掛けてきた我々からも提供できる。」

ソリューションサービス部のSNSでは、当然ながら本来の目的である社内システムに関する情報の共有にも活用されている。幅広い話題を1つのシステム上で共有することで、話題の活性化につながっていると岡田氏は言う。

 「お堅い業務管理系システム、例えばグループウェアの掲示板やナレッジベースなどではできないような柔らかい話題でも、SNSなら使いやすい。逆に柔らかい話題だけでは、社内で使うには意義を見出しにくい。そこに、オンとオフの両面にも対応できるSNSの良さがあると言える。」

 今では、ソリューションサービス部でのSNS活用を聞きつけ、ソネットエンタテインメントの他の部署からも引き合いがあるという。ちなみに、So-net SNS for Bizに対する顧客からの引き合いの傾向は、「8割ほどが社内向け、残り2割が顧客向けとしてのニーズ」(岡田氏)だという。

モバイル対応でさらに広がる社内SNSの世界

 ソリューションサービス部の高木巧部長は、「Web2.0 EXPOなどでも、『カジュアルな情報共有』が話題になっているが、まさにその手段の一つがSNSだと考えている。SNSはファジーなデータベースであり、使い手の知恵次第で、いろいろな活用が可能になるが、携帯電話への対応によって、そのデータベースをいつでもどこでも使えるようになり、さらに可能性が広がる」と言う。

 携帯電話で使える社内SNSのメリットとして、岡田氏はいくつかの例を挙げた。

 「例えば外回りの多い営業職などでは、携帯電話ならちょっとした空き時間などにアクセスできる。そもそも最近では情報漏えい対策としてPCの持ち出しを禁止する企業も増えてきており、今後はより携帯電話のニーズが高まってくるだろう。例えば、小売業の接客担当などでは情報共有にも役立つ。正社員だけでなくアルバイトも多いし、PCの前で仕事をすることは少ない。また、そもそも1人1台のPC環境でないケースもあるが、携帯電話はほとんどの人が持っているはず。普段は業務外のコミュニティーで盛り上がりつつシステムに親しんでもらえば、仕事の上での気付き情報も共有しやすくなるし、会社側から情報発信する際にも行き届きやすい。」

 ちなみに、ソリューションサービス部SNSでは、社員が自宅から携帯電話で自作の弁当の写真を投稿するなどの活用もみられるという。高木氏は、こうしたオン/オフ両面の使い方について、こう表現した。

 「社内SNSの良さを引き出すには、会社が場を提供して社内個人のコミュニケーションに使ってもらい、そこに会社としてのオフィシャルな情報を交える、そういう形で使うことがポイントだ。」

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