世界PDA市場、Windows Mobile搭載端末がリード

第1四半期のPDA出荷台数は、前年同期比39.7%増。中でもWindows Mobile端末が64%伸びた。メーカー別首位のRIMは、スマートフォンへの移行の影響でシェアを下げている。

» 2007年05月25日 08時38分 公開
[ITmedia]

 調査会社の米Gartnerは5月22日、第1四半期(1〜3月)の世界のPDA出荷台数(スマートフォンを除く)の統計を発表した。同四半期の出荷台数は510万台で、前年同期を39.7%上回った。中でもWindows Mobileを搭載した端末の出荷が伸びており、前年同期比64%増。第1四半期の出荷台数全体の62%を占めるに至った。

 Gartnerでは、Windows Mobileの新バージョン「Windows Mobile 6」や、PDA端末の新機種のリリースが第2四半期に予定されていたことを指摘。通常、消費者や企業は、アップグレードが迫ると買い控えをする傾向にあるとして、第1四半期のWindows Mobileの伸びは「意外だった」とコメントしている。

 メーカー別のシェア首位は、カナダのResearch In Motion(RIM)。18.1%のシェアで首位の座を維持したものの、BlackBerry Pearlなどのスマートフォンへの移行を反映し、前年同期の25.3%から大きくシェアを下げた。出荷台数は92万8000台で、前年同期からほぼ横ばいだった。2位はMio Technology(シェア11.1%)で、前年同期比162%増の56万8000台を出荷した。以下、Samsung、シャープ、Nokiaと続く。RIM同様、スマートフォンへのシフトを進めているPalmは、トップ5から落ちて7位となった。

2007年第1四半期の世界PDA出荷(メーカー別)
順位 社名 出荷台数 シェア(%) 前年同期出荷台数 前年同期シェア(%) 出荷台数伸び率(%)
1 Research In Motion 928,239 18.1 929,883 25.3 -0.2
2 Mio Technology 567,967 11.1 216,728 5.9 162.1
3 Samsung 451,000 8.8 2,150 0.1 20876.7
4 シャープ 436,450 8.5 249,380 6.8 75.0
5 Nokia 319,100 6.2 157,150 4.3 103.1
- その他 2,423,089 47.3 2,114,009 57.6 14.6
- 合計 5,125,845 100.0 3,669,300 100.0 39.7
(資料:Gartner Dataquest、スマートフォン除く)

 OS別では、首位はWindows Mobile(シェア62%)で、以下RIM(同18.1%)、Palm OS(同6.1%)、Symbian(同5.6%)、Linux(同0.7%)と続く。Gartnerでは、Windows MobileはPDA市場で独占的な位置を築いたが、スマートフォン市場では伸び悩んでいると指摘。一方、「SymbianとNokiaには逆が当てはまる」という。RIMについては「(両市場で)バランスの取れた取り組みを行っている唯一の企業だが、スマートフォン市場ではまだやるべきことが多い」としている。

2007年第1四半期の世界PDA出荷(OS別)
順位 社名 出荷台数 シェア(%) 前年同期出荷台数 前年同期シェア(%) 出荷台数伸び率(%)
1 Windows CE 3,184,703 62.1 1,937,667 52.8 64.4
2 Research In Motion 928,239 18.1 929,883 25.3 -0.2
3 Palm OS 314,353 6.1 489,220 13.3 -35.7
4 Symbian 288,000 5.6 132,000 3.6 118.2
5 Linux 33,400 0.7 43,530 1.2 -23.3
- その他 377,150 7.4 137,000 3.7 175.3
- 合計 5,125,845 100.0 3,669,300 100.0 39.7
(資料:Gartner Dataquest、スマートフォン除く)

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