日本におけるリーガルテックの現状は、まだ業界としての形ができつつある初期の段階だ。技術的にも、リーガルテック先進国である米国からの輸入だけでなく、日本語や日本の法制度に対応した独自のものが強く求められている。
もちろん、リーガルテックがどこまで発達したとしても、それだけに頼っていては不正・不祥事対策も万全だとは言えない。こうした技術を使いこなすには、まず正直ベースの経営でなければならないだろう。
相次ぐ組織不正に多くの人が嫌気を感じ、社会は組織に対して潔さを求めるようになっている。当然、そういった社会的要請に応える体質作りは欠かせない。トップから末端に至るまで、組織全体で不正と戦う姿勢を持つことが重要だ。その上で、その姿勢を広く社会に示していくことが、信頼を勝ち得ていくための道筋だ。リーガルテックは、潔い体質作りの支えとして、またその開示手段の一つとして、さらにインシデントへの備えとして、広く役立つツールと言えるだろう。
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