社員を“その気”にさせた携帯メールモバイルReady!なコミュニケーション活用術(2/2 ページ)

» 2007年06月04日 06時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]
前のページへ 1|2       

便利な機能は基本から

 携帯電話メールでのスケジュール通知機能は、社員が入力した1日のスケジュールが早朝に自動的に配信されるもので、社員が設定した時間に毎朝届く。社員は、PCでグループウェアへアクセスしてスケジュールを確認する手間がなく、出勤前や取引先への移動中などに業務内容を確認することができる。この機能は社員の評判が良く、運用当初から現在まで、グループウェアが積極的に利用されるきっかけになったという。

毎朝desknet'sから携帯電話に届くスケジュールの通知メール

 「操作説明は難しくないものの、『それでは皆さん利用してください』というばかりでは、なかなか利用が進まない。そこで『便利な機能を利用するためには、基本のスケジュール入力をしっかりやってください』と呼びかけた」と鈴木氏は話す。携帯電話機能は、営業職など外出機会の多い300人ほど社員が利用し、内勤社員などからのメッセージを確認する伝言機能や設備予約などの機能も積極的に利用されている。

 シグマグループでは、購買予約と仮払い清算機能を除いたdesknet'sのすべての機能を使用している。携帯電話からはリポート提出などもできるが、あまり利用されていない。「日報はしっかりとまとめたいという社員もいて、長文入力の大変な機能はあまり必要性がないようだ」と鈴木氏。

 部署単位や全社で共有しなければならない情報は、メール通知や掲示板ではなく、各社員が閲覧したかどうかを確認できる回覧板機能を利用している。PCからWeb経由でアクセスして閲覧する仕組みのため、「社員にグループウェアへ定期的にアクセスする習慣を身に付けさせるだけでなく、情報漏えいを防ぐセキュリティの確保や情報の伝達ミスが減るなどの効果があった」と、鈴木氏はグループウェア導入のメリットを話す。

 さらにグループウェアを活用していく上で、鈴木氏は携帯電話ユーザーの拡大と管理者機能の強化の2点を課題して挙げている。携帯電話ユーザーは、携帯電話の機能を使いこなせる若手社員が多く、通話利用がメインの年配社員にはグループウェアのモバイル利用がまだまだ浸透していない。

 管理者機能の強化は、今後の携帯電話ユーザーの拡大を見据えて詳細なアクセスコントロールの実現を求める。「携帯電話で利用する機能が増えてくれば、個々の社員に対して利用できる権限を細かく設定する必要があり、管理機能の充実を期待したい」という。

 最後にグループウェアの導入について、鈴木氏は自社での運用シーンをきめ細かく分析・分析して最適な製品を選択することが大切ではないかと話す。「特殊な業務フローの多い企業なら、多少時間がかかってもカスタマイズに優れた製品を選ぶべきだろう。逆に機能が豊富でも実際に利用されない機能は多くあり、スケジュールや伝言メッセージなどの基本機能の充実ぐあいも大切な要素になる。」

 また、グループウェアのモバイル利用について「セキュリティ上の理由から、PCを含めて一切の外部アクセスを禁止している企業も多いと聞いているが、1つ1つの機能の特徴や社員の利用動向をしっかりと掴んでモバイルから利用できる機能を提供すれば、メリットはある」と話している。

この記事の関連キーワード

グループウェア | メール&リテラシー


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ