NECは中堅企業向けERPソリューションの販売拡大を目指し、国内外合わせて700名規模のEXPLANNER開発・サポートを整備するとともに、商品のラインアップを増やした。2009年までに1200億円の売り上げを見込む。
NECは6月6日、中堅企業向けERPソリューション「EXPLANNERシリーズ」の販売拡大に向け、国内および中国での事業を強化するとともに、製品の拡充を行ったことを発表した。
EXPLANNERシリーズは、販売、会計、人事給与などの基幹業務パッケージに、開発フレームワークと業務可視化ツールを組み合わせて提供されるERP製品。同社は各業種に共通するパッケージのほか、製造業、建設業、卸売業、ビジネスマネジメントの各分野において、ERP製品を幅広く展開している。
SMB(年商500億円以下の中堅・中小企業)市場におけるERP市場動向を見ると、中堅・中小企業向けのERPソフトの売り上げは年10%以上の成長が見込まれる(複数の公開調査結果からNECが推定)など、大手企業向けに比べて顕著な伸びを示す。これらの背景の元、SMB市場におけるERPソフトのさらなるシェア拡大を目指すべく、国内外での販売体制を強化に踏み出した。EXPLANNERの営業、サポートのさらなる拡充を目指し、NECネクサソリューションズに100人、日本コンピューター・システムに50人、中国のパートナー企業や現地法人などに130人規模のサポート体制を確立した。
販売拡大のもう1つの方法である製品開発にも余念がない。これまで着手していなかったビジネスマネジメント向けに加え、卸売業の中でも特に流通業にターゲットを絞ったERPソリューションを新たに開発した。新たに投入されたソリューションは、業務プロセスを管理する「プロセスパフォーマンスモニタリングサービス」、プロジェクトを管理する「EXPLANNER/BM」、青果市場向け基幹業務パッケージ「EXPLANNER/Vf」、鋼材卸や加工業向けの基幹業務パッケージ「スタースチール」の4種類だ。
今後のEXPLANNERシリーズの販売計画について同社の岩波利光執行役員常務は、「パッケージライセンスとシステム受注を含めたEXPLANNERシリーズの売り上げは2006年度に100億を突破した。これからも製品の拡充や販売チャネルの拡大を行いつつ、顧客のニーズに向けた協業を積極的に行い、今後3カ年で現在4%弱のシェアを20%に増やし、合計1200億円の売り上げを目標にしていく」と説明。中小企業向けERP市場のシェア上位に食い込んでいく姿勢を見せた。
価格は、プロセスパフォーマンスモニタリングサービス、EXPLANNER/BMがともに50万円から、EXPLANNER/Vfは800万円、スタースチールは500万円から(それぞれ税抜き)となる。プロセスパフォーマンスモニタリングサービスは8月の開始を予定、それ以外は本日より販売される。
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