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» 2006年11月28日 08時00分 公開

2006年の中堅・中小企業向けERP市場はNEC本格参入で混戦模様に

ノーク・リサーチがまとめた2006年の中堅・中小企業向けERPの実態調査によると、2005年度のシェア上位3社の順位に変動はないものの、わずかずつだがシェアを落としている。2006年度はNECの本格参入もあり、混戦に拍車がかかりそうだ。

[ITmedia]

 ノーク・リサーチは11月27日、2006年の中堅・中小企業向けERPの実態調査をとりまとめ、その分析結果を発表した。

 それによると、2005年度(2005年4月〜2006年3月)のERP市場は前年比8.1%の伸びで1064億円、2006年度も前年比8.5%増の1154億円に達したものの、大企業向けERP市場は飽和感が強く、年商500億円未満の中堅・中小企業向けがERP市場の伸びを牽引している実態が浮き彫りになった。

 中堅・中小企業向けの市場規模は、2005年度が2年連続で2桁となる13.4%の伸びを示して670億円となり、2006年も10.6%と順調に成長し、741億円に達する見込みだ。

 ノーク・リサーチでは、景気の回復によるIT投資意欲の増加や、老朽化した基幹系システムの見直しでERPへのリプレースが進んだり、内部統制やJ-SOX法などの「企業コンプライアンスブーム」が追い風となっていることが、2桁成長を維持している要因とみている。今後、J-SOX法の実施基準が明確になる2007年以降も順調に市場の拡大が見込まれ、2010年には、2005年度のERP市場全体に匹敵する1000億円を超えることが予測される。

シェアトップは昨年同様富士通、2番手に大塚商会

 2005年度の中堅・中小企業向け市場のERPシェアトップは、3年連続で富士通の「GLOVIA-C」で16.1%だった。次いで、大塚商会の「SMILE α AD」が13.3%で、住商情報システムの「ProActive」が8.5%となっている(下のグラフ参照)。

出典:ノーク・リサーチ

 これら上位3社の順位は昨年と変わりないが、それぞれわずかながらシェアを落としているのが特徴だ。この背景には、中堅市場に成長力があるとみるベンダーらが集中展開し、市場が過熱気味になっていることがある。特にNECによる本格参入が、ERP市場のシェア争いの混戦模様をさらに激化させているとノーク・リサーチではみている。

 なお、年商50億円未満の中小企業市場だけを見ると、大塚商会のSMILE α ADが38.5%と際立ったシェアでトップを堅持している。「年商50億円〜100億円」と「年商100億円〜300億円」の両市場では富士通のGLOVIA-Cが2年連続トップで、「年商300億円〜500億円」では住商情報システムのProActiveが16.8%で昨年から引き続きシェアトップとなった。この中堅上位層の市場では、日本オラクルやSAPジャパンが8%前後のシェアを獲得しているが、逆に年商300億円未満の市場では攻略に苦戦していることが分かる。

出典:ノーク・リサーチ

 逆にまた「業種・モジュール別」という住み分けを行い、ニッチな戦略を進めているベンダーもいる。内田洋行は「製造業の販売管理」を基点に展開している。SSJは「中堅企業の財務会計」という足場を固めようとしている。東洋ビジネスエンジニアリングは「製造業の生産管理」という方針を貫いている。

 ノーク・リサーチでは、競合が激戦化している中堅企業市場は「基幹システムのリプレース」市場であり、いずれ大企業市場同様に飽和状況となるのは時間の問題だとみている。今後潜在需要の大きな中小市場(年商30億円〜100億円)に力点が移るのは間違いないとしている。

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