企画マネジメントを円滑に進める7つチェックポイントがある。このポイントは企画に「ダメ出し」をする格好の判断基準になる。
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部下に企画を出すよう命じるときには、「何を求められているか」という企画の方向性を明示しないと、後の企画会議が空中分解するようになってしまい、部下たちの間で、「どうせ企画を出せといってもハズレなんでしょ」という空気がまん延してしまう。これを避けるために企画マネジメントが必要で、具体的には(1)背景・経緯、(2)現状の課題、(3)課題改善の可能性、(4)目標、(5)目標達成のためのアクションプラン、(6)経済性、(7)他に与える影響という7つの項目を順番にチェックしていくことが大切だ。参照記事
こうした7つのチェックポイントを提案する、眼鏡レンズメーカーのニコン・エシロールの元CEOの長谷川和廣氏は、現在経営コンサルタントとして活動している。
長谷川氏によれば、人材が豊富な大企業でもこのようなチェックポイントで精査することなく、企画提案が行われているケースは多いという。
「できるだけ自由な発想をさせたいという狙いがあるのかもしれませんが、どの方向にいけばいいのかを示さないで提案をさせても、結局はハズレ企画の山になってしまいます。自由な発想というのは、ある程度制限がなければ出てこないものだし、制限があると、それをクリアしさえすれば、自分の提案が受け入れられるかもしれないという、リアリティが生まれます」と長谷川氏は語る。
企画マネジメントに大切なのは方向を示すことだが、付け加えると、「どうしてボツなのか、ハズレなのか」ということを説明することも同じぐらい重要だと言えるだろう。
そもそも、企画といっても大雑把に分けて2種類ある。
従来から取り組んでいる仕事の延長線上でその仕事に対する改善案的な意味を持つ企画と、延長線上にはあるものの、新機軸的な企画である。
前者は比較的チームのメンバーからも求めている方向性は理解されやすい。「この間、誰かこんなグチをいっていたな」というようなところから、具体的なプランが出てきたりする。
しかし、後者は違う。「いつもの報告は聞いているけど、キミのところはいつも同じことを繰り返しているだけじゃないか。もっと新しい取り組みのアイデアはないのか」などと上役から突然言われるようなケースである。
上役の言葉のウラには「当然、新しい取り組みぐらい普段から練っているんだろうね」というニュアンスが込められている。そこで緊急の呼び出しをチームのメンバーにかけるわけだ。
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