Vistaに強いデータベースはどれ?情報システムの“国際統合”を目指すOracle DB

国際的なシステム統合を実施するうえで障壁となる文字コードの課題を解決するために、Oracle DBはいち早くUnicodeに対応した。Unicode対応機能を利用すれば、データベース操作時に文字コードの違いを意識する必要はない。

» 2007年06月29日 07時00分 公開
[敦賀松太郎,ITmedia]

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Unicode対応はビジネスの国際化に必須

 海外に製造・販売拠点を持つグローバル企業が増えている。多くのグローバル企業はこれまで、各国で求められる財務諸表や言語が異なるために、各国の拠点ごとに別々の情報システムを構築してきた。しかし、企業の内部統制環境の整備、コストの削減、管理性向上を目的に、海外拠点を含めたシステム統合を行う事例が増えている。

 国際的なシステム統合を実施するための課題となる財務諸表については、日本の会計基準の適合が難航しているものの、おおむね国際標準化が進みつつある。残る言語の問題もすべての言語の文字コード体系を1つにまとめ、多言語処理を可能にしたUnicodeの登場によって解決するかに見えた。

 ところが、従来の情報システムのほとんどは、各言語固有の文字コードで開発されている。日本語の情報システムの場合、WindowsならばSJIS、UNIXやLinuxならばEUCで作られているものが多い。多言語対応のUnicodeが策定されたのは1993年だから、10数年以上経過した今でも、OSに依存した文字コードが主流のままだ。

 日本でUnicodeが使われないのは、Unicode非対応のソフトウェアがあること、Unicode非対応のソフトウェアに合わせて文字コードを変換すると文字化けによる不具合が発生するリスクがあること、Unicodeを利用するとデータ量が増えて処理能力を落とすおそれがあることなどの理由がある。そもそも、多言語対応のUnicodeを利用する必要性がなかったことも大きな理由だった。グローバルにサービスを提供するWebサイトでは、Unicodeを使用して一つのシステムでのサービス提供が進んでいるという。

日本オラクル 桑内崇志氏

 日本オラクルでOracle Databaseを担当するシステム製品統括本部営業推進部Grid Computingグループ担当シニアマネジャー、桑内崇志氏は、オラクルの事例について次のように紹介する。

 「オラクルでは、これらのシステムのニーズに応えるため、多言語環境の標準的な文字コードとしてUnicodeを古くからサポートしてきました。そのためオラクルでは、言語固有の文字コードではなく、Unicodeで最大のパフォーマンスが得られるようにシステムの実装を行っています」(桑内氏)

JIS X 0213:2004にも対応

 このように情報システムのUnicode対応が進んできているが、この状況をさらに後押しするのが、Windows Vista、およびWindows Server 2008で採用された新しい日本語文字コード規格「JIS X 0213:2004」の存在である。JIS X 0213:2004は、従来のJIS X 0213に第3・第4水準漢字など11,233字が追加されているほか、一部の字形が変更されている。ほとんどの人名や地名を外字なしに取り扱うことが可能となっている。これらの文字を扱うためにはUnicode 3.2移行のサポートが必須になっているのである。

 そうしたUnicodeサポートの必要性が高まる中で、重要になるのはなってくるのが、データの格納先であるデータベースのUnicode対応だ。業務アプリケーションとデータベースの運用を切り離して考えた場合、データベースが文字コードを変換せず、Unicodeを使用するために特別なデータ型を明示的に宣言する必要もなく、データをそのまま格納できることが望ましい。この点、Oracle Databaseでは、データベースの文字セットとしてUnicodeをサポートし、データ型にもUnicodeを意識した違いはない。

 「2005年に登場したOracle Database 10g R2では、最新のUnicode 4.0をサポートしています。Oracle Databaseはデータベースのカーネル自身がUnicodeを前提として動作するため、データの格納だけでなく、文字列の比較演算処理もすべて問題なく行えます。もちろん、Oracle Databaseの出荷時には、Unicode環境で綿密な検証を行っています」(桑内氏)

 もともとOracle DatabaseはWindowsの新OSへの素早い対応が行われているが、Windows Vista、およびWindows Server 2008で採用された新しい日本語文字コード規格「JIS X 0213:2004」への対応も万全である。Unicodeへの対応が不十分な場合、一部の補助文字を誤って操作する可能性が指摘されている。この問題は人名や地名を扱うアプリケーションでは深刻な問題と言える。この部分も、Oracle Databaseはきちんと対応しているのだ。

 このように、情報システムの国際統合はもちろん、Windows Vista上でより多くの日本語の文字を処理する業務アプリケーションを構築・利用するためにも、今後はUnicodeに確実に対応したデータベースを採用する必要がある。そのためには、Oracle Databaseを選択することは有効な解となるだろう。

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