アジャイル経営に不可欠なものとは?トップ自身がプロセス思考を実践(2/2 ページ)

» 2007年07月05日 14時55分 公開
[富永康信(ロビンソン),ITmedia]
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ユーザーをいかに巻き込むか

 ただし、せっかくのプロセス改革を情報システム部門にまかせきりに考えてしまうと、BPMの目指す世界とは大きくかい離してしまう。ユーザー部門が実施したい業務の流れを自分たちでデザインするという気概が必要であり、彼らが主役になる取り組みなのだということを理解しなければならない。その上で、情報システム部門はその後ろ盾になって進め方を企画し、システム化を推進するような役割分担が理想の形となる。

 「コンサルタントの立場としては、BPMプロジェクトでユーザー部門をいかにして巻き込み、継続させていくかが勝負になる」と力説する日沖氏は、BPMが情報システム部門の役割を変えるビークル(実践の場)になると表現する。欧米企業の多くは、情報システム部門をこのようなプロセスの考え方や管理の手法を定着させるミッションを背負った部門なのだという考えで進めてきたという。

ビジネスプロセスをトップダウンで浸透

 現在、日本ユニシスでは、BPMコンサルティングに注力している。BPMアプローチを使ったプロジェクトの実施では、専門ツールの活用も含め、コンサルタントの充実度が成否を左右するため、20名近いBPM専門コンサルタントを擁して今後の需要に対応するという。

 「BPMプロジェクトでは、ビジネスプロセスをきちんと考えようという意識を、トップダウンで浸透させることが重要となる。トップ自らが、部門をまたいだプロセス思考で考え、それが定着するように組織の仕組みを見直すことが求められる」(日沖氏)

 これから日本でも、世界の潮流と化したBPMの洗礼は避けられず、プロセス組織へのシフトや、業務をプロセス主導とするための責任者の設置も重要となってくるだろう。

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