Linuxはあらゆるプラットフォームの対応バージョンが作られており、そのものズバリのDSLinuxという名称でNintendo DS版のLinuxが作成されているのも、ことさら驚くべき話ではないのかもしれない。DSLinuxのインストール、設定、使用法に関しては、DSLinux Wikiに詳しい説明が掲載されている。当然ながらこのDSLinuxはグラフィカル系デスクトップで運用するようには作られていないが、用途によってはかなり効果的な使い方ができるはずだ。例えばDSLinuxではNintendo DSのWi-Fi機能がサポートされており、同梱されているviエディタを介してWi-Fi用設定ファイルを編集できるようになっている。そのほかにもDSLinuxには、retawqというテキストベースWebブラウザやtinyircという簡易型IRCクライアントがパッケージされており、またテトリスや数独といったゲーム系ソフトも幾つかバンドルされている(DSLinuxのバンドルソフトウェアの一覧はこちらで確認できる)。
DSLinuxには食指が動かないという場合は、オープンソース系ゲームはどうだろうか? この種のNintendo DS用ゲームとしては、WordUp、Lemmings DS、Explosion of an Aeroplaneなどの優れた作品が公開されている。
Nintendo DS用のオープンソース系アプリケーションという記事において、忘れてはいけないソフトが幾つか存在している。その1つが、Nintendo DS用オープンソース系アプリケーションで最も広範に使用されているMoonshellメディアプレイヤーである。この自作ソフトウェアでは、オーディオ/ビデオ系の一般的なフォーマットはすべてサポートされており、扱いやすいビデオエンコーダも付属している(残念ながらWindowsベースである)。またDSVNCというVNCクライアントを使用すると、Nintendo DSを介してリモートマシンの制御ができるようになる。
純然たるゲーム機であるNintendo DSであっても、こうしたオープンソース系アプリケーションを幾つかインストールすることで、実用性の高いコンピューティングデバイスに変貌することができる。自分のこなしたいタスクが、スケジュール管理であれ、音楽再生であれ、画像表示であれ、メモ入力であれ、そうした要望をNintendo DS上でかなえてくれる存在がオープンソース系ソフトウェアとして用意されていることを忘れてはいけない。
Dmitri Popovは、フリーランスのライターとして、ロシア、イギリス、米国、ドイツ、デンマークのコンピュータ雑誌に寄稿している。
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