「パイプ役」を買って出るEMCジャパン諸星新社長

EMCジャパンの諸星俊男新社長は8月1日、都内で就任会見を開き、同社の今後の戦略や目標を説明した。

» 2007年08月01日 21時52分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 EMCジャパンの代表取締役社長に就任した諸星俊男氏(関連記事参照)は8月1日、都内で社長就任会見を開き、所信を述べた。

 「前社長は内部固めが得意だったが、自ら動いて顧客や社員と会社をつなぐのが私の役目」――エドワード・ナイハイゼル前社長と比較し、諸星氏は“パイプ役”を自称する。

 「就任してからすでに400枚の名刺を配った」「社内の年金問題に踏み込み、全社的に年金履歴の確認をスタートさせた」などと話し、既にパワフルな側面を発揮しているようだ。同社の社員は「社長はとても行動的。社員の問題をきちんと考え、一人一人の生の声を大事にする。社長就任後、社内は活性化している」と評価する。

 EMCは、ストレージ専業ベンダーから「情報の総合ベンダー」(諸星氏)へ飛躍を目指してきた。得意とするストレージを中心に、度重なる買収により、セキュリティや仮想化、リソース管理、コンテンツ管理などへと守備範囲を拡大してきた。もはやEMCはストレージ専業ベンダーという言葉ではくくれないほどだ。

image EMCがポートフォリオを組む4つの分野

 だが、EMCにとって世界第2位の市場である日本では、その戦略が有効に機能しているとは言いにくい。諸星氏は「本社の戦略を日本でどう具現化していくかが考えられてなかった。社員個人の能力は高いが、それを生かすマネジメントが行われていない」と現状を分析。

image 戦略的な買収により、情報の総合ベンダーとしての足場が固まった

 主戦場であるストレージのさらなるシェア向上を目指す。諸星氏は、「EMC製品の日本語バージョンではなく、日本のユーザーが本当に欲しているものを提供する必要がある。EMCはこれら提案をすべて聞いてくれた」と説明した。さらに、「日本のベンダーに負けないサポートを」との掛け声の下、コンサルティングにも力を入れ、人員増員を予定している。

image 「日本のマーケットが必要とする製品を作るため、先陣を切って提案していきたい」と語る諸星氏

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