紙の雑誌が好きな場合でも、困るのはバックナンバーの整理。おかげで筆者の場合は、部屋に足の踏み場もない状況だ。古くなったものは処分しようと思うのだが、時間がなかなか取れなかったり、そもそも「後で必要になるのでは?」と思って処分をためらってしまう。
そんなとき考えるのは、ハナっからデジタル化されていたら、というもの。デジタルで配信する雑誌も無いではないが、やはりまだ少ないのが現状だ。
そういう意味で、加藤恭子氏きょこ コーリングに投稿された月刊Interface誌のWebサイトはすごい!が興味深かった。記事内容の一部が無料でPDF公開されているのみならず、1970年代からのバックナンバー情報も見られるというのは素晴らしい。情報さえあれば、図書館でバックナンバーを閲覧することなどもできる。
加藤氏が指摘するように、印刷するだけでも無料ないし有料のユーザー登録が求められたり、バックナンバー情報はすべて有料公開というケースがまだ多い。確かにそれも一つのマーケティングであろうが、できれば登録なしに閲覧できるのが、好感が持てるというのは同感だ。
この夏は特に、ある種類の飲物の広告が目に付いた。それは、「ゼロカロリー」をうたったコーラ飲料だ。これがまた意外とうまかったりして、ついついゼロカロリー飲料を求めていた。
もちろん、商品にもエネルギーが0kcalと表記されていて、カロリーゼロ、ノン・カロリーであることを強調している。
しかし、川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」に投稿されたゼロは、0ではない ノーも0ではないを見て、ギョッとした。
法律で、100gあたりの熱量が5kcal以下の場合は0kcalと表示できると定められているというのだ。つまり、0kcal飲料は0〜5kcalということで、決してゼロカロリーではないということ。
考えてみれば、適度に甘さもあっておいしい飲物がゼロカロリーというのがありえなかったのかもしれないが……。
あまり言葉に躍らされないようにしたいと改めて感じた。
村上明子氏「女性研究員の博士取得奮闘記!」に投稿されたパスポートへの別名併記は、あることを深く考えさせられるエントリーだった。
村上氏は「女性」であることの不便さを書いているが、これは「戸籍制度」の不便さともいえる問題なのだ。
結婚すると新たな戸籍を作成することになる。その際、結婚後の姓は、夫婦どちらかの姓を選択して同姓となるが、9割以上は夫の姓を選択しているという現実があり、女性の姓が変わることが多いという。だが、人によっては仕事の都合上、旧姓を名乗ることがあるのも事実だ。しかし、村上氏の場合はパスポートの申請で、当初すんなりと仕事で使う名前(旧姓)の併記ができなかった。最終的には役所まで出向き、「旧姓使用証明書」を見せることでOKだったそうだが、いったい何を用意すればいいのか分からず、困ったという。
これは別に、女性だけの問題ではない。妻の姓を選択することで男性の姓が変わる場合も、ケースとしては少ないが存在する。この場合は、もっと複雑かもしれない。
そもそも、戸籍制度自体が前時代のもので、崩壊している部分があるようにも思う。新時代の戸籍制度、いや、戸籍制度に代わる新しい制度が必要になってくるのではないだろうか。
※本稿において、一部事実誤認があるとのご指摘を受けた。ここにお詫びして訂正したい。まず、「別姓使用証明書」とあるのは、「旧姓使用証明書」の誤り。そして、「結婚すると、たいていの場合は妻が夫の籍へと入る」のは誤りで、現行法の下では、「結婚すると新たな戸籍を作成する」のが正しい。その際、夫婦どちらかの姓を選択するが、9割以上が夫の姓を選択しているのが現実である。従って「婿養子」というのも制度上はなく、「妻の姓を選択した場合」となる。
ネットを見ていると、いろいろな形で情報が流れてくる。そういった情報の中には、「情報解禁日」以前に流れてしまうものも少なくはない。
筆者も、ある映画のDVD発売の情報を、情報が解禁される数ヶ月前には入手していたことがある。正直、ファンからすればこういった情報は早くほしい。しかし、かつて筆者も書いたが、中には情報が漏れることによって、発売が中止になったり、放送されなくなったりするケースも出てくるのだ。
加藤恭子氏「きょこ コーリング」に投稿された無邪気な1人の社員が会社をつぶしかねない・・・は、それがさらに進んだ事例を紹介している。ぜひ読んでほしいと思う。これは、ブログが当たり前になったいま、誰にでも起こりえることなのだから。
以上、8月30日から9月5日にかけて、オルタナティブ・ブログに投稿された154個のエントリーの中から、筆者が気になったものを幾つかピックアップしてみた。
ただし、本記事で取り上げることができたのは、わずか数本のエントリー。もちろん、取り上げなかった多数のエントリーにも興味深いものがある。本記事をキッカケにして興味を持たれたものがあったら、ぜひオルタナティブ・ブログの他のエントリーも読んでみてほしい。
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