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» 2007年09月13日 20時40分 公開

GDX、メールの追跡もできる新メッセージングサービスを提供

IIJと米MX Logic子会社のGDX Networkが共同出資するGDX Japanは、送受信メールの追跡などができるメッセージングサービスを開始する。

[國谷武史,ITmedia]

 GDX Japanは9月13日、企業間で送受信されるメールの到達性の保証や追跡管理などが行えるメッセージングサービスのプラットフォーム「GDXトラステッドプラットフォーム」の提供を11月から開始すると発表した。

 GDX Japanは、インターネットイニシアティブ(IIJ)とメールセキュリティベンダーの米MX Logicの子会社GDX Networkが共同出資して今年4月に設立され、GDX Networkが開発したGDXトラステッドプラットフォームのローカライズと国内でのサービス提供を行う。

 GDXトラステッドプラットフォームでは、同プラットフォームを利用する企業間でのメールの到達性の保証や追跡確認、セイコープレシジョンの時刻認証サービスを利用した送受信日時の電子署名といったサービスを提供する。これにより、企業間の安全なメールの送受信環境が実現すると同社では説明する。

鈴木幸一氏

 会見を行った鈴木幸一氏(GDX Japan社長、IIJ社長兼任)は、「これまでさまざまなスパムメール対策に取り組んできたが、そのために信頼できる相手からのメールも届かないという事態が生まれた。わたし自身、毎日千通単位でメールを受信するがその大半がスパム。対策を工夫しているが重要なメールを見逃す恐れがある。メールを安全に利用できるよう、ネットワークレベルでの仕組みを提供する必要が生まれた」と述べた。

 プラットフォームを利用するには、GDX Japanが提供する「GDX Edge」と呼ばれる専用のアプライアンスとメールサーバを組み合わせる。GDX Edgeではメールサーバから発信されたSMTPのメールをXML形式に変換し、httpsを利用してGDXのデータセンター経由で配信先の企業へ送信する。メールを受信した企業ではGDX Edgeで再びSMTPへ変換してメールサーバに伝送する仕組みとなる。

GDXトラステッドプラットフォームの仕組み。プラットフォームを利用する企業間ではメールの信頼性が担保されるという

 プラットフォームを利用しない従来のメールは、受信の場合にはGDX Edgeが送信ドメイン認証を行う。送信する場合は従来通りの方法で送信される。GDXトラステッドプラットフォームは、既に導入しているスパム対策などと組み合わせることもでき、送受信されるすべてのメールをプラットフォーム経由にする、もしくはプラットフォーム経由と従来方法を並存させるといった、柔軟な運用に対応するという。

 同社の近藤学取締役は、「SMTPのメール環境は基本的に不特定多数とのやり取りを前提としたもので、この仕組みは四半世紀もの間ほとんど変わっていない。GDXトラステッドプラットフォームは特定多数のユーザーが利用する新しい環境であり、ソーシャルネットワークサービスに近いイメージだ。メールの安全性だけでなく、追跡や利用リポート、電子署名といった付加価値も提供したい」と話した。

近藤学GDX Japan取締役

 利用企業では、システム管理者がメールのトラフィック状況や個々のメールの到達状況、メールに添付されているデータの傾向といったさまざまなリポートを利用できる。また、サービス開始とほぼ同時期に無償のプラグインソフトウェアを提供する予定で、GDXトラステッドプラットフォームを導入していない企業でも利用できるという。

 「例えば既存のメーラーに組み込んで送信するメールを暗号化する、ユーザーではなくてもプラットフォーム経由で送られてきたメールの情報(送信時刻など)をプラグインを利用して閲覧できるといった、さまざまな可能性を考えている」(近藤氏)

管理者用コンソールでは、グラフなどでトラフィックやメールの到着状況、利用状況が分かる

 MX LogicとGDX NetworkのCTOを兼務するスコット・チェイシン氏は、「MX Logicは世界2万社800万もの受信箱にサービスを提供し、IIJとの提携も4年間に及ぶ。米国では2008年上期からGDXトラステッドプラットフォームの提供を始めるが、欧州や中国、インド、東南アジア、オーストラリアでも計画している」と発表した。

 利用料金などの詳細なサービス内容は検討中としながらも、「1ユーザー当たり月額数百円程度で利用できるようにしたい」(近藤氏)という。また、GDX Edgeはレンタルや販売など個々のニーズに合わせて提供するとしている。GDX Japanでは、まず大手企業や官公庁での利用を見込み、2008年度末までに300社の採用を目標にしている。

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