オープン性と統合環境の両立がスマートフォンOSの命(2/2 ページ)

» 2007年11月07日 07時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]
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ITmedia Googleが携帯電話プラットフォームへの参入を表明しました。Googleのプラットフォームはオープン性の高さを謳っていますが、率直な感想はいかがですか?

ウッド GoogleのプラットフォームはLinuxをベースにしたもののようですが、すでにLinuxベースのモバイルOSは20種類以上が登場しており、乱立状態にあります。Googleのプラットフォームも、多数あるLinuxベースのモバイルOSの1つだという印象ですね。

 モバイルOSは、通信の安定性やバッテリ管理など非常に複雑な制御性が求められ、こうした機能が統合化された形で提供されなければなりません。

 Symbianは、これまで通信事業者や端末メーカーのさまざまなニーズを聞きながら、統合化されたソリューションを意識して開発を続けています。これは大変なプロセスです。オープンソースコミュニティーの多彩なリソースを活用できるのは魅力ではありますが、スマートフォンの世界で統合化を進めることは簡単ではありません。Googleも多かれ少なかれ、統合化のプロセスでは困難に直面するでしょう。

ITmedia スマートフォンは、PCと携帯電話の中間に位置付けられる製品ですが、今後はどのように変わっていくのでしょうか?

ウッド われわれの調査では、携帯電話全体に占めるスマートフォンの割合は現在10%ほどですが、2010年ごろには20〜30%に急拡大すると予想しています。スマートフォンを求めるユーザーが増え、通話主体の携帯電話はスマートフォンに置き換わっていくでしょう。

 インターネット閲覧のように、「アプリケーションの使い勝手はPCの方が上だ」という意見をよく耳にしますが、スマートフォンがPCに劣るとは思いません。スマートフォンでも快適にインターネットを閲覧できます。また、音楽を聞く、データを同期させるといったことも簡単にできます。

 こうした機能がさらに発展し、スマートフォンは人間の「第2の脳」になるかも知れません。情報を格納するだけでなく、必要なときに必要な機能を提供して、人間の行動を支えてくれるようになって欲しいですね。

 Symbian OSは、PC向けOSのような機能を取り入れながら発展を遂げていくでしょう。ですが、モバイルデバイスだからこそ求められる特徴は引き継がれていきます。スマートフォンが携帯電話の1つのジャンルにとどまらず、独自のジャンルを形成していく中で、Symbian OSはこのジャンルで確固たる存在になっていくでしょう。

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