ロトラー氏によると、Oracle On Demandサービスを利用するエンドユーザーは、この1年で2倍以上に増え、360万人に達したという。急激なビジネス拡大で、データセンターのスペースが足りなくなり、電力消費も大幅に増えるのではという懸念もあった。しかし、ビジネスが2倍になっても、Intelサーバのグリッド構成を活用することで、同じスペースで十分に対応できたという。
Oracle Universityのサービスも36万人の受講者を抱え、オンライン研修の仕組みとしては世界最大規模に成長しているが、これもIntelベースのサーバに移行したことで、サーバ数が70%減り、フロアスペースは52%、電力消費も47%それぞれ削減できたという。
「Oracleは環境保護にコミットしている。オースチンのデータセンターも2004年には、AFCOM(Association for Computer Operations Management)からGreen Power Leaership Awardを受賞している。結果的に、データセンターの100万ガロン分の冷却水の節約に成功している」とロトラー氏。
6月、IntelとGoogleらが、温室効果ガス削減を目指した「Climate Savers Computing Initiative」を発足させたが、Oracleもこの日、参加を表明した。
オッテリーニ氏はまた、将来のエンタープライズ分野におけるビジョンについても解説した。先に示したハフニウムの採用も、1996年から研究を開始し、11年かけて問題を解決し、何とか出荷にこぎ着けたという。世の中が複雑になっており、先を予測するのが難しい状況もあるという。そんな中で、今後は企業や政府のITトラフィックではなく、コンシューマーのITトラフィックが大きく増えると指摘する。2008年には、企業や政府のトラフィックをコンシューマのそれが超えることになるとの見通しも示した。
背景には、Web2.0の普及がある。ビデオのストリーミング配信や3次元の仮想世界でコミュニケーションが活発化することなどの影響が大きいという。2010年までには、デジタルコンテントの70%はゲームや映画の企業ではなく、コンシューマー自らが生み出す時代になると予測する。
「この変化は、企業にも大きく影響を与える。24時間365日ビジネスを継続しなければならなず、ITインフラを確実に見極めなければならない」とオッテリーニ氏。
さらに今後は、クライアントにおけるモビリティの拡張が起こるとも付け加える。モバイル環境での認証やハードウェアでのセキュリティ、管理性の向上などが、新たに必要になる。オッテリーニ氏は、「クライアント環境の未来も予測し、Intelはこれに積極的に対応していくことになるだろう」と話した。
「今後のIntelの革新が、人々の生活に大きな影響を与えると考えている。そして、ビジネスの成長にも大きく貢献できるようにしたい」(オッテリーニ氏)
前日、AMDのヘクター・ルイズ会長兼CEOが、ユーザー事例中心にソリューションを語ったのとは対照的に、オッテリーニ氏は自社の技術的な優位性を訴え、未来を見通す力とライバルの追随を許さない技術力を強くアピールした。
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