国民性を考えればコンテンツの違いも?――YouTubeとニコニコ動画の動向オルタナブログ通信(2/2 ページ)

» 2007年12月21日 13時49分 公開
[森川拓男,ITmedia]
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一極集中の弊害

 昔から指摘されているのは、「都市部(特に東京)への一極集中」の問題だ。

 高橋徹氏「代替案のある生活」一極集中を続ける東京の、この危機と責任では、前回も取り上げた通勤電車の遅延問題から派生して、この一極集中問題を検証している。

 また、通勤ラッシュに関する対策として、山口陽平氏「一般システムエンジニアの刻苦勉励」東西線の朝ラッシュ緩和作戦が始まるで紹介された「東西線でPASMOを使った早起き通勤キャンペーン」(関連記事)などが行われているが、一極集中を是正するものではない。あくまでも通勤ラッシュの緩和策だ。

 一極集中で怖いのは、災害などが起きた場合だろう。

 永井孝尚氏「永井孝尚のMM21」では、震災で、東京から神奈川方面に向かう交通手段が全て停止。その時、どのように多摩川を渡る?というエントリーが投稿された。それを受ける形で山口陽平氏「一般システムエンジニアの刻苦勉励」には河川と橋の大切さが。いつ起きるか分からない災害などに備えるためにも、今こそ考えておくべき事柄だろう。

 そして林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」災害そして戦争等の有事に力を発揮するWeb2.0の技術も注目のエントリーだ。ぜひ目を通してほしいと思う。

写真は信じられるか?

 今年の漢字は「偽」と発表されたが、福田首相は「信」だといった。しかし、仮に「信」だとするなばら、それは「信頼」よりも「不信」だろう。何を信じてよいのか分からないのが2007年だった。

 数年前だろうか。エステか何かの広告で、ビフォー・アフターの写真が、加工されたものであったという事件で問題になったことがあった。それから何年も経って、今や画像加工に関しては当時よりも安価に、簡単にできるようにもなっているのが実態だ。

 永井孝尚氏「永井孝尚のMM21」それでも、あなたは写真を信じますか?は、正にその問題を指摘している。

 よく写真が何らかの証拠として使われる場合があるが、その証拠能力がどこまであるのか、検証にはより時間がかかる時代になってしまったのかもしれない。

 問題は写真だけではない。ブログやWebページに抱える問題を、大迫正治氏「大迫正治 REPEDANT BLOG」リンク・ベイティングの汚染がロングテールを駆逐するが指摘している。思わず「なるほど」と感じてしまうに違いない。

日本と欧米の動画共有サイトの違い

 大野元久氏「IT's my business」1年経ったニコニコ動画というエントリーが投稿された。そして、吉川日出行氏「ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦」には日本はニコニコ動画、欧米ではYouTubeが投稿されていた。

 ニコニコ動画とYouTubeは、同じような動画共有サイトである。そして、当初は英語版のみだったYouTubeも、日本語に対応して久しい。しかし、日本ではにこにこ動画の圧勝だというのだ。吉川氏も指摘しているが、松尾公也氏「CloseBox and OpenPod」ではなぜYouTubeでなくてニコニコ動画なのか、投稿して分かったことという体験に基づいたエントリーが投稿されていて興味深かった。

 なお、大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」中国では6ルームによると、中国ではまた別な動画共有サービスが利用されているようだ。やはり、それぞれ自国初のもののほうが、かゆいところに手が届いてよいのだろうか。

インターネットは怖くなるか

 最近、ネットが絡んだ犯罪が多く報じられるようになってきた。例えば、裏サイトやケータイなどの出会い系サイト……、ブログを通じての事件も報じられている。

 林雅之氏『ビジネス2.0』の視点では、いろいろな調査結果などを通じてインターネットは怖くなってきているというエントリーを投稿している。恐怖とならないネットライフを楽しむためにも、本エントリーには目を通して、危機意識を持ってほしいものだと思う。

 怖いのはネットだけではない。ケータイの普及によって失われつつあるものの問題もある。北添裕己氏「トラパパ@TORAPAPA」公衆電話の行方・・・は、筆者も気になっていたところだった。確かに、ケータイを使うようになってから公衆電話の利用は減っているが、いまでも財布にはテレホンカードを忍ばせていて、いつでも公衆電話が使えるようにしている。しかし、最近は駅前でも公衆電話を探すのが難しくなってきている。北添氏の指摘するように、公衆電話ボックスが持つ意味は、単に電話としての機能だけではないと思う。せめて駅前には整備して欲しいものだとは思うのだが……。

 以上、12月6日から12月12日にかけてオルタナティブ・ブログに投稿された190近くのエントリーの中から、幾つかピックアップさせていただいた。

 しかし、本稿で取り上げることができたのはごくわずか。オルタナティブ・ブログには、これ以外にも興味深いエントリーが山ほどある。今回、取り上げなかった話題の中にこそ、読者の皆さんが気になるものがあるだろう。ぜひ、オルタナティブ・ブログの他のエントリーにも目を通してほしいと思う。

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