Q33 プログラマーの能力は生まれ持ったセンスによる部分が大きいですか?
先天性の能力とは思いませんが、生まれ育った環境に多少なりとも作用されるのは間違いないでしょう。特に本人が「プログラマー」ということを意識する前の幼少期の段階で、何をして、何を見て、何を聞いて、何を感じたか、というのは後々のセンスや能力の形成に効いてくる重要な部分だとは思います。未踏界隈では「10歳までにコンセント(AC100V)で感電する必要がある」なんて話もあります(笑)。
Q34 プログラマーに向いている素質は何だと思いますか?
斉藤のり子さんも言われていますが、好奇心と探究心に尽きます。知的好奇心に脊髄反射できるような部分がプログラマーの潜在能力なのかもしれません。
「押すな」と書いてあるボタンを思わず押してしまったり、「立ち入り禁止」と書いてあるところに気がついたら入っていたり(笑)。あとは行動力。面白いものを見つけたり思いついたりしたら、「〜すればできるよね。今度やってみたいな!」というのでは甘くて、気がついたら既にコードを書いちゃってるような人が素敵だと思います。
英語の授業で習った単語をノートにメモるか、とりあえずすぐに発音してみるかの違いに似ていると思います。
Q35 Windowsしか知らないプログラマーはどうですか?
別に悪くないと思いますよ。ただ、286とかのPC-98実機で、MS-DOSのCONFIG.SYSやAUTOEXEC.BATをチューンしたことのない人は「工夫と気合とヤッツケで何とかなる!」という根性や応用力が少し足りなかったり、UNIXを使ったことがない人は技術の本質的部分(特にネットワーク系)で理解が浅くなったりすることが少しはあると思います。
往年のMacintoshに触って「白黒のくせにこんなスゲーことができる!」みたいな感動を味わっておくのもいいと思います。ですが、一番体験しておいてほしいのはTK-80などのワンボードマイコンでニーモニックをたたいておくことです(笑)。「計算機」というモノが心から面白くなると思います。
Q36 GNUについてはどう思いますか?
本質的なスタンスとして良いとは思いますが、狂信的に、何でもオープンソースというのはちょっと怖いし、個人的にもどうかなと思います。
Q37 GNU GPLについてはどう思いますか?
ピュアなGPLは自分の著作物に適用するのはちょっと怖い感じがします。使う側としても怖い。スタンスとして共感できても、軽い気持ちで使っていたら、不備があったときにフルボッコにされる恐怖というか……。人間、そんな完璧じゃないですから、思いのほか良いものができたら途中で売りたくなる時もありますし、ソースコードを秘伝にしたくもなりますよ、きっと(笑)。
LGPLやBSDライセンスとかの方が個人的には好きです。ソフトウェアは良い意味で、自由でゆる〜く寛容で、肩の力を抜けるものであってほしいですね。
Q38 インタプリタ言語でプログラミングのニーズはどの程度満たせると思いますか?
果てしなく満たせると思います。Rubyとか超面白いですよね。ただ、現時点で組み込みマイコンに乗せれるのは実用的にはアセンブラやCのバイナリコードしかないですよね。コンパイラ言語もインタプリタ言語も、結局は表現手法でしかないので、使い方は適材適所だと思います。「何でもPerl! 何でもJava!」というのはもったいないと思います。
Q39 プログラマーとSEの違いを説明してください。
法制上、残業代が出る人と出ない人の違い? というのは置いておいて、SEは積み木の組み合わせを考える人、プログラマーは実際に積み木を組み上げる人だと認識しています。
ただ、この両者を明確に分けるのは少し問題で、プログラムが分かるSE、SE的発想と能力のあるプログラマーのコンビが素敵です。SEとプログラマーはおろか、デザイナーやプロデューサー、営業や経営ともどこかでつながっているわけですから、相手の視点で物事を考えられることが重要だと思います。
Q40 営業さんなど、自分が直接関係する方以外との仲はいいですか?
学生なので営業さんとのかかわりはありませんが、基本的には人が好きなので、いろいろな方と仲良くなるのは楽しいです。わたしはソフトウェアが主体ですが、ハードウェアが主体の人と仲良くしているといろいろと困ったときに助けてくれるので幸せです。パーツを恵んでもらったりとか。
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