Q11 一番最初に作成したプログラムはどんなものでしたか?
「English君」という、コマンドプロンプト上で動くC言語の英単語練習ソフトウェアです。中学校以来、英語の試験のたびに今も現役で使っています。そう考えると、自分の作品の中で実は一番の息の長いものかもしれません。真っ黒な画面に白い文字、飾らないビープ音が集中力を極限に高めてくれます(笑)。
Q12 最近メインで使っている言語は? なぜその言語に引かれたのですか?
Web系はPHP+MySQLがほとんどです。それに付随してJavaScriptやActionScriptも使います。理由はとにかく開発が楽で、それなりに速く安定して動くし、流行ってるためネット上の技術情報やサンプルも豊富にあるからです。
クライアントアプリケーションの開発はVB.NETとC#を案件に合わせて使い分けてます。サクッと短期間で作りたいならVB.NETを、Monoを使ってUNIX上で動かしたい場合などはC#という感じです。趣味ではもっぱらVB.NETです。.NETになってからは、VBも十分実用的なレベルです。何より、あれだけ高機能な環境が無料というのが素敵です。.NET Frameworkの設計が美しく、最初に触れたときに思わず惚れてしまいました。
Q13 自分が世に送り出したコードで、自信作があれば教えてください。
技術が未熟な上、まだまだ世に送り出したコード自体が少ないので、そんな恐れ多いことは恥ずかしくて言えません。いつの日か胸を張ってそんな風に言えるよう日々精進して行きたいと思っています。
Q14 自分のコーディングにクセやこだわりはありますか?
プログラマーが良く使う意味のない変数名は「hoge」「piyo」などですが、わたしのコードでは「miko」「moe」「nae」などが無意識のうちに使われているみたいです。 こだわりは、できるだけ省略表現を用いず、きっちりコードを書くようにしています。その方が誰にでも分かりやすいし、後の保守性も高まると思うので。難解なコードを書くことを美徳とする価値観は、わたしにはちょっと分かりません。
Q15 理解するのに苦労したコンピュータ関連のトピックは?
具体的なネットワークプログラムの実装方法の習得です。ネットワーク系技術の解説書というと、概要的なことを広く浅く説明しているものか、低レベルの仕様に関して狭く深く解説しているもののどちらかしかない気がします。「で、具体的にどうやって組めばいいの?」という実装上の疑問に答えてくれる文献は少ないので、実際にいろいろ試行錯誤しながら習得していった感じです。ネットワーク分野は学ぶべき事項が多く大変ですが、非常に面白く刺激的です。
Q16 これを読んでおくと幸せになれるという開発者必携の一冊を教えてください(複数も可)
古い本ですが『日本一短いオタクちゃんへの手紙』(EYE-COM監修/アスキー出版局刊)でしょうか(笑)。この本に書かれているユーモアを理解するだけでも、相当の勉強と歴史的背景の理解が必要なはずです。開発者向けというわけではありませんが、コンピュータを生業とする人には、コンピュータ史を語る上での基礎知識として、ぜひ読んでもらいたい一冊です。記号としての萌え文化に落ちる前の、古きよき時代のオタクの姿がそこにあります。
Q17 ここは毎日ウオッチしている、というサイトはありますか?
ITmedia、@IT、Impress Watch、ITProなどの大手IT系ニュースサイトを一通りと、アキバBlogやGIGAZINEなんかをフィード的に読んでます。面白いネタは友人がmixiの日記で紹介してくれるので、それを頼ってる感じです(笑)
Q18 開発系の雑誌で購読してるものはありますか?
現在は定期購読をしている雑誌はありませんが、日経ソフトウェアやSoftware Design、MdN、CGWORLDはよく読んでいます。技術的にコアなトピックはWebで調べることの方が多いかもしれません。あとはITの開発系といってよいか分かりませんが、トランジスタ技術とか。
Q19 あなたが考える理想のソフトウェア開発プロセスは?
3人組での開発ですね。企画に軸足を置くプログラマーと、技術に軸足を置くプログラマー。そして、それらをマネジメントができるプログラマーが統括する。みんな基本的にプログラマーで、実装ベースで技術の話ができるという部分が大切です。このメンバーで、短期間のうちにスパイラルにチーム開発を行うスタイルが理想かな。
わたしは「高専プロコン」に長年参加してきましたが、好成績を残すチームは無意識にこういうメンバー構成になっている気がします。実社会ではどうなんだろう?
Q20 Web2.0という言葉をどう定義していますか?
主悪の根源(笑)。というのは言い過ぎかもしれませんが、「Web2.0」というあいまいなくせに押し付けがましい価値観や概念の輸入のおかげで、現代の開発者は「未来の世界を自分自身で哲学する力」を少なからず失っているのでは? と思います。
Webの未来はもっと一人一人が自由に空想して構わないはずです。10年後のWebが文字ベースかどうかすら分からない。もしかすると今のようなブラウザなんて誰も使わなくなってるかもしれない。そんなワクワクを「Web2.0的じゃない」の一言で片づけるようじゃ未来がないと思います。
技術に関してはファッションみたいに流行を受け入れているだけじゃダメです。価値観や概念の輸入と許容だけじゃなく、提案と輸出ができる日本のIT産業を作っていくために、自分も何か、将来少しでも力になれたらいいなと思います。
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