HP、ブレードサーバで高い成長――世界全体で78%増

2007年度に1000億ドルを超える売り上げをHPは達成した。その中において着実にビジネスを拡大しているストレージおよびサーバ事業を振り返る。

» 2008年01月10日 15時39分 公開
[伏見学,ITmedia]

 日本HPは1月9日、企業向けストレージおよびサーバについて記者向けの説明会を開き、2007年度の業績を報告した。

 2007年度は、ストレージおよびサーバ事業において前年と比較して成長を遂げた1年だった。世界全体で見ると、第4四半期の売り上げはESS(Enterprise Storage & Servers)事業全体で対前年同期比の10%増、ISS(Industry Standard Servers)は14%増、BCS(Business Critical Systems)は5%増となった。製品では特にブレードサーバが78%増という高い伸びを見せた。

業績好調をアピールする松本執行役員 業績好調をアピールする松本執行役員

 日本においても高い市場シェアを占めた。同年第3四半期を振り返ると、6年連続でトップシェアのUNIXサーバをはじめ、ディスクストレージ、ブレードサーバでも1位となった。エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括で執行役員を務める松本芳武氏は「ブレードサーバでは約3割のシェアを獲得し、2位以下を大きく引き離した」と強調した。

「ブレードサーバの需要が広がっている」と語る橘ISSビジネス本部本部長 「ブレードサーバの需要が広がっている」と語る橘ISSビジネス本部本部長

 ブレードサーバが高い成長を遂げた理由について、ISSビジネス本部本部長の橘一徳氏は「第3世代ブレード製品のポートフォリオの強化、パートナープログラムの拡大、中堅・中小企業(SMB)向けに100ボルト対応ブレードを投入、日本での生産開始などの施策が功を奏した」と説明した。ITリソースのプール化やデータセンターにおける省電力の取り組みなどが活発になり、大企業でもブレードを積極活用する動きが出てきたという。「SMB市場、エンタープライズ市場共にブレードの需要が広がっている」(橘氏)。

2008年度のブレードサーバの重点施策2007年のストレージ事業戦略 サーバ、ストレージ事業共にさまざまな施策を打ち出した

 この勢いはストレージ事業にも見られる。ストレージワークスビジネス本部本部長の富岡徹郎氏は、マーケットをけん引する潮流として「災害対策」「仮想化」「コンプライアンス」を挙げた。これらに合わせる形で新製品を投入した結果、2007年度第1〜3四半期でディスクストレージの売り上げ台数シェアは25.3%(IDC調べ)と1位を獲得した。

2008年のESS事業の主要施策 2008年のESS事業の主要施策

 2008年の事業戦略については、大きく3つの施策を挙げている。1つ目は、同社が掲げるコンセプト「Adaptive Infrastructure」に基づき、仮想化、省電力、セキュリティなどを主要なコンポーネントとした製品群を投入する。Adaptive Infrastructureとは、ユーザーが必要な時に必要なだけアプリケーションやストレージなどを利用できるようにする取り組み。「ハイエンド製品で培った技術をミッドレンジやローエンドの製品でも共有して相乗効果を出していきたい」(松本氏)。2つ目は日本市場に合った製品を提供すること。3つ目は、自社の営業力およびパートナープログラム強化による対象顧客の範囲の拡大だ。

 「日本のビジネスを進化させるITインフラおよび製品を提供していく」(松本氏)。

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