Mac OS Xユーザーにとって不満の残る「Office 2008」(2/4 ページ)

» 2008年01月15日 19時22分 公開
[Tiffany Maleshefski,eWEEK]
eWEEK

Entourageの○とX

 Exchangeのフルサポートが提供されておらず、.PSTファイルのインポートのサポートが欠落しているのに加え、「Entourage 2008」はOS Xの最新版に付属するバックアップ機能「Time Machine」との互換性もない。このためユーザーは、代替バックアップ手段を探す必要がある。

 しかしこの電子メール/PIMアプリケーションでは、全般的な改善もそれなりに施されている。例えば、Microsoft Exchangeサーバと連携して電子メールへの返事を個別に作成できる「Out of Office Assistant」が追加されたことである。EntourageをOutlook風にするような改善点としてはそのほかにも、会議リマインダや、直前の変更を複数の会議参加予定者に通知するオプションなどがある。

 Entourage 2008には「My Day」という新しいツールも組み込まれている。これは、予定表およびTo-doの項目内にウィンドウを開き、メインとなるEntourageアプリケーションから独立して動作するツールで、予定やタスクを手早く参照することができる。この機能は、Office 2008でExchangeとのタスク同期化のサポートが欠落しているのを補うために追加されたもの。My Dayツールは手軽で便利だが、大きな画面スペースを占有するのが難点だ。

 Entourage 2008では、筆者のExchangeアカウントのTasksとNotesにアクセスできないのに加え、筆者の会社のパブリックフォルダにアクセスすることもできなかった。このフォルダは、会議室を予約したり、人事部のフォームなどの共有ドキュメントにアクセスしたりするのに利用している。

 EntourageがOutlookと同等の機能を提供していないことを考えれば、Mac OS Xに付属する無償の電子メール/PIMクライアントである「Mail」とどれほど違いがあるのか検討する価値がある。結局のところ、両アプリケーションに本質的な違いはないようだ。

 両者の主要な違いは、Exchangeと連携した予定表機能の部分にあり、Entourage 2008は「Mail」と比べると、動作、外観ともにOutlookに近い。Appleの「Mail」では、Exchangeに保存された予定表の項目がIMAPモデルに押し込まれるため、イベントではなく電子メールとして表示される。Entourage 2008の予定表機能では、イベントをカテゴリー別に色分けすることができる。ただしこの機能は、複数の予定表で同時に利用することができない(これもMacユーザーが以前からOfficeに対して求めている改良点の1つだ)。

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