「バックアップを身近にしたい」――米StorageCraftが日本市場に注力

システムバックアップサービスの米StorageCraftが日本向けビジネスを強化。災害復旧対策や仮想化への移行を支援するという。

» 2008年03月04日 07時45分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 「ディザスタリカバリ(災害復旧)対策や仮想化環境への移行を効率的かつ迅速に実現したいという企業ニーズが高まっている」――システムバックアップサービスを手がける米StorageCraft Technologyのマイク・クンズシニアセールスディレクターは、このように話す。

 同社は昨年12月、セキュリティサービスのアズジェントと業務提携し、サーバおよびPC向けバックアップ製品「ShadowProtect」日本語版の展開を開始した。

 ShadowProtectは、サーバやPC内のOSおよびアプリケーション、コンフィグレーションのすべてをイメージデータとしてバックアップ/リカバリするソフトウェア。Unix/Linuxプラットフォームに比べてシステム復旧の作業が複雑なWindowsプラットフォームに特化しているのが特徴。また、VMwareの公式パートナーとして仮想化システムのバックアップにも対応する。

StorageCraftのクンズ氏(左)とCTOのバーンズ氏

 クンズ氏によれば、近年は中堅・中小企業のユーザーが増えつつある。「ミッドマーケットでも事業継続への対応強化や仮想化環境への移行が急速に注目され、これらを容易に実現するソリューションが求められている」(同氏)という。

 システムバックアップでは、大企業のデータセンターシステムなどを対象としたディザスタリカバリ対応や仮想化対応に伴うソリューションがベンダー各社から提供されている。「大規模システムにも対応しつつ、例えば故障したPCの環境を別のハードウェアでそっくり復旧させたいというレベルのものにも対応できる容易さが求められる」(クンズ氏)。

 日本市場では、ディザスタリカバリや仮想化環境への対応ニーズに加えて、J-SOX法施行などに関連してのコンプライアンス強化からもシステムバックアップのニーズが高まりつつある、とクンズ氏。「海外でも同様の傾向にあるが、上場企業と取引のある企業でもコンプライアンス強化が求められ、Shadow Protectが取り組みを支援する」と日本市場に注力する理由を説明する。

 Shadow Protectは、HDDだけでなくNAS(Network Attached Storage)やSAN(Storage Area Network)、仮想テープライブラリ、さらにはCDなどの外部メディアなど多様なストレージ環境に対応する。バックアップ対象やフルバックや差分バックアップの指定、スケジュール(最短15分間隔)などの設定をウィザードで容易に指定できるという。

 また、MicrosoftのWindows ServerやExchange Server、SQL Server、VSS(Volume Shadow Copy Service)対応アプリケーションでは、無停止状態のままバックアップできる。約10Gバイトのシステムのバックアップ作業を5分程度でできるため、システム停止をなるべく回避できる点も特徴になると、クンズ氏は説明する。

 「バックアップしたイメージデータの検証や複数のイメージデータの管理を1つのコンソールでできる」といい、災害対策やシステム統合、クライアント単位でのシステム管理など、幅広い導入目的に対応できる点も強調する。また、フルバックアップに機能が限定されるがサーバやPCの対象台数を問わずに利用できる「IT Edition」も用意する。システムインテグレーターなどが自社の顧客向けに提供するサービスとして利用できるという。

 CTOのスコット・バーンズ氏は、「世界的にユーザー規模の多いWindowsプラットフォームでいかにバックアップ/リカバリを容易にできるのかを追求してきた。今後の市場動向をみて、さらにLinuxなどへの対応も検討していきたい」と話している。

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