IBM、水で冷却する3Dチップをデモ

IBMのプロトタイプはコンポーネントを縦に積み重ねた3Dチップで、各層の間に水を通して冷却する。

» 2008年06月06日 08時01分 公開
[ITmedia]

 米IBMは6月5日、水冷式のコンピュータチップのプロトタイプを独Fraunhofer Instituteとともに披露した。

 プロトタイプは、3Dチップに水冷システムを統合したもので、各層の間に直接パイプで水を通す。3Dチップとは、チップやメモリデバイスなどのコンポーネントを縦に積み重ねたもの。従来のコンピュータチップは、コンポーネントを横に並べている。

 研究チームはチップから発生する熱を取り除くために、3Dチップの各層の間に、人間の髪の毛(50マイクロメートル)ほどの太さのパイプで水を通した。各層の冷却パフォーマンスは、4平方センチメートルの面積で、最高180ワット/平方センチメートルを達成できたという。

 実験では、2つのダイの間に冷却層をはさんだ1×1センチのテストチップを使った。冷却層は高さ約100マイクロメートルで、1平方センチメートル当たり1万本の密度でパイプを配した。水を最大限に流せるようにすると同時に、水が漏れてショートが起きないようにすることが主な課題だったが、研究チームはこれを克服したとしている。

 今後研究チームは、さらに小さなチップに対応するよう冷却システムを最適化することに取り組む。ホットスポットを冷却するための追加構造も研究するとしている。

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