ファイルの損傷が原因でFAAの老朽システムがダウン数千人の旅行者に影響(2/2 ページ)

» 2008年08月28日 17時12分 公開
[Chris Preimesberger,eWEEK]
eWEEK
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 このシステムは「NADIN」(National Aerospace Data Interchange Network)と呼ばれる。オランダに本社を置くNorth American Philipsが、1980年代初頭にFAAのために設計した。2台の「Philips DS714/81」メインフレームは1988年に運用が開始された。同社はその年に事業から撤退したため、FAAは部品在庫すべてを買い上げた。

 このシステムは極めて長期間にわたって毎日24時間稼働してきた(稼働を開始したのはレーガン政権末期のころといえば、その長さが実感できるだろう)。しかし今週のシステムダウンが示しているように、そろそろ引退の時期が来たようだ。

 タケモト氏によると、年末までにシステム全体が最新鋭のシステム(新しいハードウェアやソフトウェアなどすべて)にリプレースされる予定だ。「新システムは現在のものとは桁違いに大容量のメモリを搭載する。昨日のような負荷の急激な増大にも対応できる」と同氏は期待する。

 ネットワーク管理ソフトウェアメーカー、SolarWindsで製品戦略責任者を務めるケニー・バンザント氏によると、ほとんどのネットワーク停止は、ファイルの損傷が原因ではないという。

 「ほとんどのネットワーク停止の根本原因を見れば、その70%以上は人間による構成ミスで起きている。人間がコンピュータへの入力をミスするのと比べれば、コンピュータ自体に障害が起きる確率ははるかに低い。いかに頭脳明晰なネットワーク技術者といえども、その例外ではない」とバンザント氏は話す。

 なお、FAAのプロプライエタリネットワークソフトウェアの構成は公表されていない。

障害検知とモニタリング

 SolarWindsでは、「Orion Network Configuration Manager(NCM)」バージョン5という新しい構成ソフトウェアを提供している。これは、従来製品のCirrus Configuration Managerに新機能を追加したもの。Orionは、ネットワーク構成に変化が起きた場合、(携帯端末、携帯電話、ノートPC向けのWebベースのUIを通じて)ネットワーク管理者に通知するため、迅速に障害に対処することが可能だという。

 テキサス州オースティンにあるディザスタリカバリソフトウェアベンダーのNeverfailで製品マーケティングディレクターを務めるジム・バッテンバーグ氏によると、同社のソフトウェアは2つの環境の間ですべてのデータを非同期に複製するとともに、毎日24時間ネットワークを監視するという。

 「このため、ネットワークのダウン、サーバのダウン、ハードウェアの障害、プロセッサへの過大な負荷などの問題を検知することができる」とバッテンバーグ氏は話す。

 「エコシステム内のあらゆる問題を検出できる。問題発生時の予備システムへのフェールオーバーも自動で行える」(同氏)

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