カワサキ氏によると、MicrosoftはWFのパフォーマンスとスケーラビリティも改善したという。
Microsoftの計画に詳しいソフトウェア開発専門家であるChappell & Associatesのデビッド・チャッペル社長は、「WFアプリケーションのホストプロセスを提供するDublinと、使いやすいWF 4.0の結合は、WF技術の普及を大いに促進するだろう」と話す。
カワサキ氏によると、Dublin技術に関するMicrosoftの目標の1つは、.NET技術のスキルとトレーニングに注がれた顧客の投資を保護することだという。Microsoftでは、Windows Serverの機能強化により、複合型アプリケーションの配備、構成、管理、拡張が簡素化される一方で、開発者はVisual Studio、.NET Framework、Internet Information Services(IIS)に対する既存のスキルを活用できるとしている。
さらにカワサキ氏によると、DublinはMicrosoftのモデリングプラットフォーム「Oslo」のサポートを提供するMicrosoft初のサーバ製品になるという。DublinはOsloがなくても動作し、.NETアプリケーションをホストする機能を提供できる。しかし管理者は、OsloリポジトリからアプリケーションをDublinアプリケーションサーバに直接配備することができる、とMicrosoftでは説明している。Dublinは、モデル駆動型のOsloアプリケーションがそのまま動作できる実行環境を提供する。
「Osloは現在、モデリング技術だけを指しているが、Dublin内で動作するWFベースのアプリケーションを定義する用語としても使える」とチャッペル氏は話す。「これら3つの技術(WF、WCF、Dublin)はいずれも、組み合わせて使用することが可能だ。Microsoftが当初、これらすべてをOsloの旗印の下に置いたのも、おそらくそれが理由だろう。しかし、これらの技術は単独で使うこともできる。このため、Osloという名前の意味が狭くなり、モデリング技術だけを指すようになったのは良いことだと思う。これらの技術の独立性が明確になるからだ」
カワサキ氏によると、Microsoft社内のチームは既に、Dublinおよび改良されたWCFとWF技術を使い始めているという。
「Dublinをサポートする計画が発表された最初の製品の1つが、Microsoft Dynamicsだ」とカワサキ氏は話す。Microsoftの発表によると、Microsoft Dynamics AXとMicrosoft Dynamics CRMアプリケーションの将来版は、.NET 4.0とDublinを利用する。「特に、Microsoft Dynamics AXの次期版は、Dublinアプリケーションサーバ技術によってWindows Serverで実現される優れた機能と拡張性をフルに活用するようにデザインされる」(同氏)
さらにカワサキ氏によると、個別業界向けアプリケーションを提供しているDataract、Eclipsys、Epicor、Red Prairie、TelerikなどのサードパーティーISV(独立系ソフトウェアベンダー)や、Amberpoint、SOA Software、Frends Technology、Global360などのソフトウェアインフラプロバイダー各社が、.NET Framework 4.0とDublin技術を利用する計画を発表したという。
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