CRMの全体市場としては上述したとおり、2007年は約188億円という規模であったが、これをオンデマンド型と自社運用型に分けて動向を見ていこう。
オンデマンド型であるが、市場規模としては、2008年予測として対前年152.6%となる92億円を見込む。150%超という急成長の要因は、Salesforce.comの活躍のみならず、従来から自社運用型を提供していたベンダーが、オンデマンド型へも注力しはじめたためでもある。オンデマンド型/自社運用型の両方を手掛けるベンダーは総じてオンデマンド型の成長を実感しており、景気悪化懸念が広がる2008年においても強い成長率を維持できる見込みである。
一方、自社運用型は一部に堅調なベンダーも存在するものの、全体としては自社運用型の市場規模は縮小傾向にある。自社運用型は2007年で対前年92.2%と前年を割り込むものとなり、2008年は対前年94.1%となる約95億円になると予測した。
SaaS型がCRMライセンス売上高に占める割合は、2006年が24.6%、2007年が37.3%であり、2008年には49.1%になる。2009年には50%を超えると予測する。
ちなみにシェアであるが、CRM市場におけるオンデマンドモデルといえば、筆頭にくるのはSalesforce.comであるのは想像通り。オンデマンドに限定したシェアでは2008年は60%弱に達するものと見込まれる(エンドユーザー渡し価格ベースによる2008年売上高予測)。
この数字自体意外感はないものの、当社では、自社運用型も含めた全体市場においても、2008年はSalesforce.com社はシェア1位になるという見通しを持っている。日本郵政など大手企業向け案件を獲得してから同社の知名度は急騰しているといえ、シェアも同様に急激に伸ばした印象だ。
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