デジタルサイネージの効果を検証し、効果的な広告の配信手法を検討する実証実験をNTTと電通が開始した。東京ミッドタウンや赤坂サカス、カレッタ汐留、関東近辺の駅などを舞台に、1日350万人が視聴する規模で検証を実施する。
NTTと電通は2月16日、デジタルサイネージ(電子看板)の実証実験を共同で実施すると発表した。鉄道や商業施設に設置したデジタルサイネージに、場所や時間ごとに異なる広告を配信し、その効果を検証する。実験期間は3月15日まで。
実験では、鉄道や商業施設に設置しているデジタルサイネージをネットワークで結び、複数の広告を配信。広告を見た人が駅や施設でどういった行動をとるか、広告を配信する時間帯や視聴者の認知度と関係があるかを検討し、効果的な広告の配信手法を検証する。
複数の広告配信システムを1つのインタフェースで統合し、ネットワーク経由でコンテンツを一括配信できるNTTの「メタデータ配信管理統合化技術」をデジタルサイネージに採用。数パターンの広告を配信し、場所や時間帯ごとに広告の認知度や関心度の違いを探る。
NTTは実験環境の構築と配信システムの設置、コンテンツ配信の基盤の開発を手掛ける。電通は広告主などの実験環境を構築し、広告コンテンツの制作や編成、実証実験の調査設計などを担当する。
デジタルサイネージの設置場所は、東急大井町線自由が丘駅、東急東横線多摩川駅、西武鉄道の池袋駅、京浜急行の品川駅、羽田空港駅、横浜駅。東急電鉄内の電車内にある「TOQビジョン」、大手町や丸の内、有楽町の「丸の内ビジョン」、東京ミッドタウンの「ミッドタウン・ビジョン」、赤坂サカスの「Sacas Front」など4カ所、六本木ヒルズの「ヒルズビジョン」、カレッタ汐留の「カレッタビジョン」、人気商品をリアルタイムで販売するランキンランキンの渋谷店。1日当たり約350万人が広告コンテンツを視聴できる規模になるという。
広告コンテンツを提供するのは、花王、サッポロビール、日本コカ・コーラ、NTT、日本マクドナルド、パナソニックの6社。
2社は今回の実証実験を基に、デジタルサイネージを広告メディアとして活用するための要件を明確にし、プラットフォームの共同事業化に向けて検討を続けていく。
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