グランデュオ立川、顔認識型デジタルサイネージで11%の広告視認効果NECがオールインワン製品を発売

商業施設のグランデュオ立川は、顔認識技術を活用したデジタルサイネージを導入して広告効果を検証し、11%の視認効果が得られた。仕組みを提供したNECは広告効果を測定するソフトなどを組み入れたオールインワン製品として12月16日に販売を開始した。

» 2008年12月16日 16時31分 公開
[藤村能光,ITmedia]
グランデュオ立川での実証実験の様子 「グランデュオ立川」における実証実験のイメージ(出典:NEC)

 商業施設のグランデュオ立川は、NECが開発したデジタルサイネージ(電子看板)を用いて、広告コンテンツの視認性について実証実験をした。顔認識技術を用いて性別や年齢層を割り出し、顧客に合わせたコンテンツをディスプレイに配信できるNECのデジタルサイネージを1階の正面入り口に設置した。10月8〜28日の21日間、レストランなどのテナントが扱う商品の広告を流し、視認効果を調べた。

 同実証実験では、時間帯/性別/年代ごとに広告を見た人の数や時間、広告までの距離などを測定。顧客を性別と年代から14の属性、視認効果を「Imprint(じっと見た)」「Impression(よく見た)」「Feeling(ちらっと見た)」という3段階に分け、広告が来客者に与えた印象の度合いを分析した。その結果、正面入り口から来店した人の約11%が広告を見たという。紙のポスターなどでは明確に分からなかった広告効果を数値として出せるのが強みだ。

液晶パネルや広告分析ソフトを搭載、NECが製品化

eye flavor 「eye flavor」(出典:NEC)

 製品を開発したNECは12月16日、グランデュオ立川で活用した電子看板を商品化し、デジタルサイネージボード「eye flavor」として発売した。デジタルサイネージに必要な機器やソフトウェアを搭載したオールインワン製品で、顔認識技術を用いて性別や年齢層を判断し、顧客に合わせた広告コンテンツをディスプレイに配信できる。

 eye flavorは、搭載しているカメラ映像からディスプレイの前を通過する人の性別や年齢層を判別し、適切な広告コンテンツを配信する。配信した広告の効果測定も可能で、設置場所に来た顧客の属性だけでなく、広告映像を見ていた時間やディスプレイとの距離を計測して、顧客が関心のある広告を分析できる。

 電子クーポン配信システムや店舗のPOS(販売時点管理システム)との連携も可能。きめ細やかな広告を展開でき、販売促進にも役立てられる。

 eye flavorは、46インチの液晶パネル、顔認識カメラ、広告コンテンツの配信を制御するコントローラー、効果分析ソフトウェア、サーバ機能を搭載している。移動に適した車輪も備えており、顧客の動きに合わせて設置や撤去ができる。

 価格は200万円(税別)から。3年間で500台の販売を目指す。

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