日本市場の売り上げを4倍に――英Sophosが事業計画暗号化製品の統合で

セキュリティ企業のSophosは、2012年に国内売り上げを現在の4倍にする事業計画を発表した。

» 2009年02月24日 18時28分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 セキュリティ企業の英Sophosは2月24日、2012年までに国内市場の売り上げを現在の4倍の規模にすることを目的にした事業計画を発表した。暗号化ソリューションの展開やパートナー戦略の強化などを柱にしている。

マクギネス氏

 同社は2000年に国内市場に進出し、現在は約3500の企業や官公庁、教育機関などの顧客を抱える。事業計画では、2008年に買収したドイツの暗号化ベンダーUtimaco Safewareのソリューションとの統合や販売代理店との関係強化を中心に進め、全社売り上げに占める国内の割合を、現在の5%から20%に拡大するという。

 会見した上級副社長のマイケル・マクギネス氏は、製品の導入や運用が容易なことやWindows、Linux、Mac、UUNIXの広範なプラットフォームをサポートするウイルス対策、地域密着型のサポート体制が顧客拡大につながってきたと説明。既存の枠組みを拡大する形で、国内市場から情報漏えい対策などでニーズが高まる暗号化ソリューションを新規商材として推進する。

 Sophosが買収するUtimacoは欧州の官公庁や大手企業を主要顧客を抱え、同社の技術やノウハウを国内市場にも活用する。マクギネス氏によれば、向こう2年以内にSophosのクライアントセキュリティ製品とUtimacoの透過型暗号化製品「SafeGuard」シリーズを統合する計画で、6カ月後をめどに主要な管理機能を集約する。

 国内市場では、中小企業向けにマルウェア対策と情報保護機能を統合した「Sophos Endpoint Security and Data protection」を春ごろに発売する計画。「SafeGuardの開発計画は変更せず、シームレスにSophosへ統合できる」(マクギネス氏)

堀氏

 同社は1月5日付けで日本法人社長に元ノベル社長の堀昭一氏を起用し、販売代理店との協業関係も強化する。堀氏は、「提携社数を増やさずに担当人員を増やし、2012年に2000人規模にしたい」と話した。具体的な販売支援策やパートナープログラムなどは今後詳細を詰める。併せて大規模企業顧客には同社が商談対応する体制にするという。

 堀氏は、「Sophosはプライベート企業(非上場企業)なので、周囲の影響を受けずに一貫した社是や開発方針を維持できる。セキュリティでは安定したサービスの提供が重要だ」という。

 マクギネス氏は、「(データベースセキュリティなど)異なる事業分野には進出せず、今後もクライアントやサーバの保護にフォーカスしていく」と述べ、事業拡大が既存の経営戦略を大きく変更するものではないことを強調した。

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