AMDの6コアプロセッサ「Istanbul」、今年下半期にリリース予定

AMDでは、「Istanbul」のコードネームで呼ばれる同社初の6コアプロセッサを今年下半期にリリースする予定だ。Intelの6コアXeonチップへの対抗を狙う。AMDの新プロセッサは、現行の45nmのAMD Opteronプロセッサと共通のソケットを採用する。

» 2009年02月26日 18時10分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 Advanced Micro Devices(AMD)は、新しい6コアプロセッサを今年下半期に出荷する準備を進めている。このプロセッサは現在、「Istanbul」というコードネームで呼ばれている。2/4ソケットサーバ市場でのシェアを拡大するのが同社の狙いだ。

 AMDはIstanbulの詳細をほとんど明らかにしていないが、同社が2月25日にリリースした簡単な発表文によると、この6コアプロセッサの初期デモンストレーションの一部を既に完了し、今年下半期に出荷を開始する予定だとしている。

 AMD Istanbulでは、現行の45nm(ナノメートル) Opteronプロセッサとソケット互換となるSocket F(1207)が採用される見込みだ。またIstanbulは、現行のOpteronと同じサーマルエンベロープ内で動作する。AMDでは、Istanbulを2/4/8ソケットのサーバシステムに対応させる予定だ。

 AMDのワークステーション/サーバ部門でビジネス開発を担当するディレクター、ジョン・フルーエ氏は、「Istanbulはプロセッサとして2つの世界の橋渡しをする。従来の強力なプラットフォームであるソケット1207をサポートする一方で、将来に向けて1サーバ当たり12、24、48コアをサポートする6コア対応Direct Connectアーキテクチャを備えるのだ」と述べている。

 ※AMD IstanbulのデモのYouTubeビデオはこちら、追加画像はこちらにある。

 AMDでは、Istanbulの性能に関する数値を明らかにしていない。新プロセッサでキャッシュ容量が拡張されるかどうかも不明だ。AMDが2007年11月に発表した新しい45nmプロセッサでは、3次キャッシュが6Mバイトに拡張され、現行の4Opteronプロセッサの4つのコアはそれぞれ512Kバイトの専用2次キャッシュを備える。

 現在、最もパフォーマンスの高い45nm版Opteronプロセッサの動作速度は2.8GHzである。

 AMDはこの2年間、厳しい経営状況に陥っているが、4/8ソケットシステムを中心とするハイエンドサーバの分野ではIntelと善戦してきた。しかし、Intelは既に6コアのXeonプロセッサをリリースしており、数カ月後には「Nehalem」マイクロアーキテクチャをベースとする新チップを投入することにより優位を維持する考えだ。

 新しい6コアプロセッサに加え、AMDでは2009年後半に「Fiorano」と呼ばれる新しいサーバプラットフォームを投入する計画だ。このプラットフォームはAMDの45nmチップを採用し、「HyperTransport 3」という同社独自のチップ間インターコネクト技術をフルサポートするほか、システムのI/Oトラフィックの仮想化を可能にする新しい仮想化技術「IOMMU」も搭載する。

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