フォーティネットは3月の月例リポートで、サイバー犯罪に関連した求人を呼び掛かけるスパムが出回っていると報告している。
フォーティネットジャパンは3月12日、2月のウイルス対処状況リポートを発表した。経済危機やバレンタインなどのさまざまな話題でユーザーを狙うスパム攻撃が広まっている。
マルウェア概況では、ファイル改ざんやダウンローダーなどの複合機能を持つ「W32/Virut.A」の活動が活発化したほか、前月1位のオンラインゲームユーザーを標的にする「Spy/OnLineGame」は6位となったものの、依然として猛威を振るっている。8位にはトロイの木馬「W32/PWS.Y」が入り、集計期間中に活発化した。
スパム関連では、大規模なボットネットの「Waledac」が配信する詐欺メールが多数出回った。「クレジットカードの負債を軽減します!」といった件名を使って経済危機に便乗するものや、バレンタインデーを悪用して「love.exe」「lovekit.exe」といった不審な実行ファイルをダウンロードさせる手口が横行した。
同社で収集したスパムの中には、サイバー犯罪に勧誘する内容も見つかった。ドイツ語で書かれたスパムには「仕事をお探しですか?」という件名が付けられ、顧客から預かった資金を運ぶ「財務マネジャー」という職種を紹介している。報酬は月額2000ドルと案件が成功するごとに手数料の5%が入る仕組みだった。
セキュリティ調査担当のデレク・マンキー氏は(Derek Manky)は、「簡単に言えば現金の運び屋であり、経済危機で合法的な仕事が減る中で、非合法な仕事が生まれている」と指摘している。
マルウェア変種トップ10(1月21日〜2月20日)
順位 | 名称 | 割合(%) | トップ100位の変動 |
---|---|---|---|
1 | W32/Netsky!similar | 9.3 | +1 |
2 | W32/Virut.A | 7.8 | +1 |
3 | HTML/Iframe_CID!exploit | 7.8 | +2 |
4 | HTML/Iframe.DN!tr.dldr | 6.3 | - |
5 | Spy/OnLineGames | 6.0 | −4 |
6 | W32/MyTob.fam@mm | 3.5 | +5 |
7 | W32/MyTob.BH.fam@mm | 2.5 | - |
8 | W32/PWS.Y!tr | 2.2 | +29 |
9 | W32/Basine.C!tr.dldr | 2.1 | +1 |
10 | W32/MyTob.AQ@mm | 2.0 | −1 |
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