情報システムを構成するハードウェアやソフトウェアの機能をネットワーク経由で提供する「クラウド型サービス」について、国内での市場規模が拡大傾向にあることがIDC Japanの調査で分かった。
情報システムを構成するハードウェアやソフトウェアの機能をネットワーク経由で提供する「クラウド型サービス」について、国内での市場規模が拡大傾向にあることがIDC Japanの調査で分かった。コスト削減や機能の拡張性が企業の評価を集め、SaaS(サービスとしてのソフトウェア)を中心に市場が拡大。2013年度には2008年度の約3倍となる1436億円の市場規模に達する見通しだ。
IDCがまとめた国内における「SaaS/XaaS」市場の規模予測によると、2008年は前年比19.2%増の495億円の市場規模になる。これまではホスティングやASP(ソフトウェアの期間貸し)といった旧来からのサービスが高い割合を占めていたが、2008年に入り、業務に特化したアプリケーションやCRM(顧客関係管理)の機能をネットワーク経由で提供するSaaSが急成長した。サーバやストレージなどインフラ部分のリソース(資源)をインターネット経由で使えるIaaS(サービスとしてのインフラストラクチャ)の認知度も高まるなど、クラウドサービスが市場の拡大に貢献した。
情報システムにおけるサービスの利用が2009年以降も続き、2013年には1436億円の市場規模に上る見通し。IDC JapanでITサービスリサーチマネジャーを務める松本聡氏は「企業がIT投資を抑える中、先進技術の習得やアーキテクチャ(基本設計)の見直しが進む。SaaSやXaaSは、企業の情報システムの在り方を変える。ベンダーがSaaS関連のサービスで利益を得るためには、2009年中に本格的にサービスの提供を開始することが重要」と発表文内でコメントを寄せている。
同調査では、国内におけるSaaS/XaaS市場を、SaaS、PaaS(サービスとしてのプラットフォーム)、IaaSに分類。セグメントごとに市場の状況や動向を分析した。
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