大企業、中小企業を問わず、サーバ仮想化の導入やクラウドコンピューティングの試験的な取り組みが増えているという。米Forrester Researchが最新の動向をまとめた。
米Forrester Researchの最新の調査によると、多くの企業が既にサーバの仮想化を導入しており、クラウドコンピューティングについても試験的に取り組む企業が増えつつある。
米国および欧州企業2600社のIT意思決定者を対象に実施したForresterの調査は、大企業と中堅・中小規模の企業(SMB)のハードウェアの流行を探るもので、同社のBusiness Data Servicesシリーズの一環だ。
「今回の調査結果は、今や大企業も中小企業も、高度な柔軟性、効率性、機能性を実現する新しいアプローチで、ITインフラやクライアントシステムを再考・再検討しつつあることを端的に示している」と、Forresterの副社長で主席アナリストを務めるフランク・E・ジレット氏は語る。
今回の調査で明らかになった主なポイントは次の通り。
大企業の54%は、x86サーバ仮想化を既に実装しているか、今後12カ月以内に実装するとしている。一方、SMBの53%は、x86サーバ仮想化を既に実装しているか、今後12カ月以内に実装する計画である。
今日、大企業はOSインスタンスの31%を仮想化しており、SMBもOSインスタンスの36%を仮想化済みだ。大企業のIT意思決定者は、今後2年以内に平均して全OSインスタンスの54%が仮想化されると予想する。SMBのIT意思決定者は、今後2年以内に全OSインスタンスの61%が仮想化されるとみる。
多様なクラウドサービスの1つである仮想サーバのペイパーユース(pay-per-use:従量課金制)ホスティングに注目する企業が増えている。既に大企業の5%は仮想サーバのペイパーユースホスティングを実装しており、3%以上が今後12カ月以内に実装する計画だ。SMBでも2%が仮想サーバ。ペイパーユースホスティングを実装済みで、2%以上が今後12カ月以内に実装するとしている。
大企業の81%はデータセンターの省エネ化に一定レベルの興味を示しているが、本格的な取り組みに強い意欲を持つのは18%にとどまる。
多くの企業が、PCの保守コストに頭を痛めている。大企業の70%、SMBの74%は、さまざまなタイプのデスクトップやクライアント仮想化などの代替技術でPC関連コストの低減を望んでいる。
Web2.0の騒がしさにもかかわらず、IT購買担当者たちは身近な同僚の意見を重視する傾向が強い。大企業やSMBでハードウェアの選定にかかわる意思決定者たちは、同僚や仲間を最も有益な情報源として挙げている。
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