エアポートリムジンバスの挑戦――収益確保以上の効果をNext Wave(2/2 ページ)

» 2009年03月27日 07時00分 公開
[大西高弘,ITmedia]
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コンテンツとしてのリムジンエアポートバス

 会見で東京空港交通の鈴木光男代表取締役社長は次のように語った。

 「今回の提携を通じて、海外マーケットの販路を飛躍的に広げていきたい。何といっても当社の強みは、旅行者を面倒な乗り換えを伴うことなく滞在ホテルに連れて行くことができることだ。その強み、利点を外国人旅行者にアピールしていきたい」

 もちろん東京空港交通では自社サイトでも予約可能で多言語に対応している。しかし、アマデウスのネットワークを利用すれば、航空券の予約・発券と同じ画面で、航空券と一緒にバス乗車券を予約・発券できるし、世界のマーケットでリムジンバスの認知度、ブランドイメージを向上させることができる。今回の提携による初年度の売り上げ目標は3億円、輸送旅客数10万人。2007年の年間乗合輸送人員が800万人を超える同社にとってみれば、その目標は控え目かもしれないが、世界の旅行者の時間や費用といったものに対する、厳しいコスト意識を考慮したものと言えるかもしれない。

 アマデウス・ジャパンの大竹社長は同社のネットワークを活用して、旅行業者向けにエアポートリムジンバスのPRをしていきたいと語った。それは、新しいコンテンツをアピールするということだ。

 外国人旅行者を空港から宿泊先のホテルに直接つなげるエアポートリムジンバスは、世界市場につながるネットワーク上に乗り、1つのコンテンツとして流通する。コンテンツは他のコンテンツと反応しあう。世界の旅行者のニーズがダイレクトに反映され、新しいバスの路線も開発されたりいろいろなサービスと連動するようなことも起こり得る。そうした意味で、今回の提携は、収益減少傾向に歯止めをかける以上の効果を発揮する可能性もある。

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