ヤフー、GyaOの株式を51%取得――Yahoo!動画と統合映像配信ビジネス

ヤフーはUSENの100%子会社GyaOの株式51%を、USENから譲渡されたと発表した。2009年秋から、Yahoo!動画とGyaOの両サービスを統合させ、ネット上の映像配信ビジネスの規模拡大に取り組むという。

» 2009年04月07日 20時40分 公開
[ITmedia]

国内最大級の映像プラットフォーム

 発表によると、GyaO株の取得時期は4月30日で、株式数は4998株。価格は5億2977万8000円。取得後の出資比率はヤフーが51%、USENが49%となる。株式譲渡後の新会社名は「株式会社GyaO」で社員数は未定。新社長はヤフー出身の川邊健太郎氏。取締役にヤフーの井上雅博社長、USENの宇野康秀社長も名を連ねる。

 発表会見には、井上社長と宇野社長が臨んだ。ヤフーの井上社長は「今回の合弁化は『日本最大級のオフィシャル映像プラットフォーム』の誕生を意味する。国内の映像配信ビジネス市場は配信システム、ビジネスモデルともにバラバラで各事業会社がひしめいている状態。映像配信プラットフォームを統合して大きな市場にしていきたい」と語った。USENの宇野社長は「以前から井上社長と、映像配信ビジネスの将来について意見交換をしており、その中で井上社長から両社で市場を整備し、大きなものにしようという話はいただいていた。昨年10月に、当社から今回の合弁について提案をさせてもらった」と合弁にいたる経緯について説明した。

会見で握手をするヤフーの井上雅博社長(左)とUSENの宇野康秀社長(右)

 Yahoo! Japanの映像配信サービスの利用者数はYahoo!動画、Yahoo!スポーツなどを合わせて月間約1100万人以上、一方GyaOは約650万人。GyaOは2005年にPC向け無料動画配信サービスとしてスタートしたが、赤字が続いていた。ヤフーの井上社長は「収益面で言えばヤフーの動画配信事業も良いわけではない。しかし動画コンテンツの著作権者に対して許諾を受けてしっかりとしたビジネスを行う両社が合弁を行うことで、市場は整備されていくはずだ。そうすれば、視聴者も広告主もついてくる。動画投稿サイトはそれ自体が悪いというものではないが、一部でビジネスとして動画配信に取り組んでいる事業者の権利を侵害している動きがある。今回の合弁を機にコンテンツホルダーが手軽に利用でき、ビジネスとして成功できるプラットフォームを作っていきたい」と話した。宇野社長はGyaOの収益面での問題について、「広告商品としてのコンテンツの価値を十分にアピールできていなかった。ヤフーとの合弁でこうした弱点も克服できると考えている」とした。

 新会社の収益目標は非公表。プラットフォーム構築はまず両社のプラットフォームを1つにまとめ、将来的には新しい基盤を構築するという。また有料動画配信サービス「GyaO NEXT」は引き続きUSENが事業として進めていくという。

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